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古DNAでたどる黒死病の起源

現在のキルギス共和国のカラ・ジガチ墓地で見つかった、ペストの犠牲者の墓碑。 Credit: P.-G. BORBONE, M. A. SPYROU ET AL./NATURE

現在のキルギス共和国の14世紀の墓で以前発掘された人骨のゲノム解析から、これらの人々の命を奪ったのは、その数年後に黒死病の壊滅的な大流行を引き起こしたペスト菌(Yersinia pestis)の祖先株であったことが明らかになり、Nature 2022年6月23日号718ページで発表された(M. A. Spyrou et al. Nature 606, 718–724; 2022)。今回の研究を共同で率いたマックス・プランク進化人類学研究所(ドイツ・ライプチヒ)の古遺伝学者Johannes Krauseは、「全ての株が結び付く場所が見つかったのです。新型コロナウイルスで、アルファ株、デルタ株、オミクロン株の全てが、中国・武漢の1つの株から派生したのと似ています」と話す。

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翻訳:小林盛方

Nature ダイジェスト Vol. 19 No. 9

DOI: 10.1038/ndigest.2022.220910

原文

Ancient DNA traces origin of Black Death
  • Nature (2022-06-15) | DOI: 10.1038/d41586-022-01673-4
  • Ewen Callaway