Advances

幻の指

実験で、被験者は、見えない6 番目の指が左手小指の外側にあるという感覚を持つようになった。 Credit: LOLOSTOCK/ISTOCK/GETTY

脳にはその人の体についての地図があり、特定の身体部位の知覚や制御を専門とするニューロンが存在する。だが近年の研究によると、この表象には変更の余地がかなりあるらしい。2016年のある実験では、片方の手に6番目の指があるかのような感覚をしばし被験者に生じさせるのに成功した(ある被験者は驚いて「魔法だ!」と声を上げた)。2020年には別の研究チームが、この感覚を延長してずっと続くようにした。後者のチームは、Cognition に掲載された最新の研究でさらに踏み込み、被験者に6番目の指があるように感じさせただけでなく、その見えない幻の指について被験者が感じる長さを制御して変えてみせた。

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Nature ダイジェスト Vol. 19 No. 6

DOI: 10.1038/ndigest.2022.220623a