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脳のニューロンは腸の炎症を再燃させる
神経系と免疫系の相互作用は、過去数十年にわたって非常に興味深いトピックとなってきた。ニューロンの信号は免疫機能に影響を与える可能性があり、また免疫細胞は、健康状態により脳や脊髄、または末梢のニューロンの活動を変化させる可能性がある1,2。テクニオン・イスラエル工科大学のTamar KorenらはCell3で、腹腔内の炎症が島皮質または島と呼ばれる脳領域の特定のニューロンを刺激することを報告した。特定の免疫応答を記憶する「免疫の刷り込み」が起こったニューロンを人工的に再活性化するだけで、最初の炎症に似た、臓器特異的な炎症応答の再発が起こる。
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翻訳:古川奈々子
Nature ダイジェスト Vol. 19 No. 5
DOI: 10.1038/ndigest.2022.220546
原文
Inflammation in the gut is encoded by neurons in the brain- Nature (2022-02-10) | DOI: 10.1038/d41586-021-03802-x
- David Brea & Henrique Veiga-Fernandes
- David Brea、Henrique Veiga-Fernandesは共に、シャンパリモー未知領域研究センター(ポルトガル)に所属。
参考文献
- Chesne, J., Cardoso, V. & Veiga-Fernandes, H. Mucosal Immunol. 12, 10–20 (2019).
- Huh, J. R. & Veiga-Fernandes, H. Nature Rev. Immunol. 20, 217–228 (2020).
- Koren, T. et al. Cell 184, 5902–5915 (2021).
- Kipnis, J. Science 353, 766–771 (2016).
- Dantzer, R. Physiol. Rev. 98, 477–504 (2018).
- Cardoso, F. et al. Nature 597, 410–414 (2021).
- Godinho-Silva, C. et al. Nature 574, 254–258 (2019).
- Klose, C. S. N. & Veiga-Fernandes, H. Eur. J. Immunol. 51, 1602–1614 (2021).
- Veiga-Fernandes, H. & Mucida, D. Cell 165, 801–811 (2016).
- Wendeln, A. C. et al. Nature 556, 332–338 (2018).