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卵子や精子なしに幹細胞からマウス胚

発生生物学者Magdalena Zernicka-Goetzの研究チームが成長させた人工マウス胚(左)と天然マウス胚(右)。 Credit: GIANLUCA AMADEI, CHARLOTTE HANDFORD

哺乳類の命を生み出すレシピは簡単だ。卵子を採取し、精子を加えて待てばいい。しかし、今回2編の論文で、別の方法もあることが示された。幹細胞を適切な条件下で培養すると、分裂して自己組織化して胚になることができるという。今回、2つのチームがそれぞれ独立に、幹細胞から作製した人工マウス胚を、8.5日間というかつてないほど長い期間成長させたことを、それぞれCell1Nature2で報告している。胚は、明確な器官(拍動する心臓、腸管、さらには神経ヒダさえも)を発生させた。

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翻訳:古川奈々子

Nature ダイジェスト Vol. 19 No. 12

DOI: 10.1038/ndigest.2022.221208

原文

Mouse embryos grown without eggs or sperm: why, and what’s next?
  • Nature (2022-08-25) | DOI: 10.1038/d41586-022-02334-2
  • Cassandra Willyard

参考文献

  1. Tarazi, S. et al. Cell https://doi.org/10.1016/j.cell.2022.07.028 (2022).
  2. Amadei, G. et al. Nature https://doi.org/10.1038/s41586-022-05246-3 (2022).
  3. Sozen, B. et al. Nature Cell Biol. 20, 979–989 (2018).
  4. Amadei, G. et al. Dev. Cell 56, 366–382 (2021).
  5. Aguilera-Castrejon, A. et al. Nature 593, 119–124 (2021).
  6. Lau, K. Y. C. et al. Preprint at bioRxiv https://doi.org/10.1101/2022.08.01.502371 (2022).