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気体溶解度を飛躍的に高める「多孔性の水」
全ての気体は、ある程度水と相互作用する。しかし、反応性の気体を除いて、大半の気体の水への溶解度は有機溶媒への溶解度よりはるかに低い。そのため、水溶液中の気体の溶解度を高めることができれば、多くの化学プロセスやエネルギー貯蔵戦略の持続可能性が大幅に向上すると考えられる。特に、酸素(O2)や二酸化炭素(CO2)などの気体を水に大量に溶かすことのできる能力は、生物医学的応用に大きな進歩をもたらすだろう。このたび、ハーバード大学(米国マサチューセッツ州ケンブリッジ)のDaniel Erdosyら1は、特殊な微多孔性ナノ結晶を用いて水中に永続的な細孔を形成することで、気体の溶解度を大幅に高める方法を開発し、Nature 2022年8月25日号712ページで報告した。
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翻訳:藤野正美
Nature ダイジェスト Vol. 19 No. 11
DOI: 10.1038/ndigest.2022.221140
原文
Suspended pores boost gas solubility in water- Nature (2022-08-25) | DOI: 10.1038/d41586-022-02224-7
- Margarida Costa Gomes
- Margarida Costa Gomesはリヨン高等師範学校(フランス)に所属。
参考文献
- Erdosy, D. P. et al. Nature 608, 712–718 (2022).
- O’Reilly, N., Giri, N. & James, S. L. Chem. Eur. J. 13, 3020–3025 (2007).
- Giri, N. et al. Nature 527, 216–220 (2015).
- Jie, K., Zhou, Y., Ryan, H. P., Dai, S. & Nitschke, J. R. Adv. Mater. 33, 2005745 (2021).
- Costa Gomes, M., Pison, L., Červinka, C. & Padua, A. Angew. Chem. Int. Edn 57, 11909–11912 (2018).
- Cahir, J. et al. Chem. Sci. 11, 2077–2084 (2020).