News in Focus

耳の化石が示す「温血」哺乳類の起源

哺乳類の祖先は、代謝熱を用いて体温を調節する能力を進化させた。こうした「内温性」は寒冷な気候で役に立ったと考えられる。 Credit: LUZIA SOARES

哺乳類と鳥類は、体温を高く一定に保つ「内温性」という性質ゆえに、多様な環境で成功を収めてきた。だが、この内温性がいつどのように進化したかについては、激しく議論されている。このたび、脊椎動物の内耳の形態と体温の関係に注目した研究によって、哺乳類の祖先で内温性が進化した時期は、地球の寒冷化が進んでいた後期三畳紀(2億3700万~2億100万年前)であった可能性が示され、Nature 2022年7月28日号726ページで報告された1

全文を読むには購読する必要があります。既に購読されている方は下記よりログインしてください。

翻訳:小林盛方

Nature ダイジェスト Vol. 19 No. 11

DOI: 10.1038/ndigest.2022.221113

原文

Ear fossils hint at origin of warm-blooded mammals
  • Nature (2022-07-20) | DOI: 10.1038/d41586-022-01975-7
  • Bianca Nogrady

参考文献

  1. Araújo, R. et al. Nature 607, 726–731 (2022).
  2. Lovegrove, B. G. Biol. Rev. 87, 128–162 (2012).
  3. Grigg, G. et al. Biol. Rev. 97, 766–801 (2022).