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染色体の核内での位置が分離異常に影響する
正常なヒト細胞では、父親由来と母親由来の相同な染色体が対をなしている。対照的に、多くのがん細胞では、同じ染色体を余分に持っていたり、いくつかの染色体を喪失していたりなど、染色体数が異常である。こうした異常が生じる最も一般的な理由は、新しく形成された2つの娘細胞に親細胞の染色体が均等に分配されない、異常な細胞分裂が生じたためである。このほど、オンコード研究所、ヒュブレヒト研究所、およびユトレヒト大学医療センター(以上、オランダ・ユトレヒト)のSjoerd J. Klaasenら1は、細胞分裂前の核内での染色体の三次元的な位置が、娘細胞へ染色体が正確に分配されない可能性に影響を及ぼすことを示し、Nature 2022年7月21日号604ページで報告している。
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翻訳:三谷祐貴子
Nature ダイジェスト Vol. 19 No. 10
DOI: 10.1038/ndigest.2022.221042
原文
Location in the nucleus foretells chromosome anomalies- Nature (2022-07-21) | DOI: 10.1038/d41586-022-01865-y
- Krishnendu Guin & Tom Misteli
- Krishnendu Guin、Tom Misteliは、共に国立がん研究所(米国メリーランド州ベセスダ)に所属。
参考文献
- Klaasen, S. J. et al. Nature 607, 604–609 (2022).
- Takizawa, T., Meaburn, K. M. & Misteli, T. Cell 135, 9–13 (2008).
- Crosetto, N. & Bienko, M. Front. Genet. 11, 33 (2020).
- Ben-David, U. & Amon, A. Nature Rev. Genet. 21, 44–62 (2020).
- Roukos, V. & Misteli, T. Nature Cell Biol. 16, 293–300 (2014).
- Tang, Y.-C. & Amon, A. Cell 152, 394–405 (2013).
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