Feature
タンパク質を本来の場所で観察する
クライオ電子線トモグラフィー(クライオET)とこれに関連した各種の手法は、細胞の内部を驚異的な詳細さで見せてくれる。 Credit: S. ALBERT ET AL./PNAS (CC BY 4.0)
2017年の数週間、ベルン大学(スイス)の生化学者であるWanda Kukulskiは、細胞の内部を撮影した珍しい動画を夢中で見ていた。動画はクライオ電子線トモグラフィー(以下、クライオET)という手法を使って制作されたもので、研究者はこれにより細胞の中にあるタンパク質を高解像度で見ることが可能になった。動画では、細胞内の活動や区画など、あらゆる種類の印象的なものが、これまでにない詳細さで描き出されていた。Kukulskiは、「その美しさと複雑さに衝撃を受け、夜になるとドキュメンタリー番組を見るように、ひたすら動画を見ていました」と振り返る。
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翻訳:三枝小夜子
Nature ダイジェスト Vol. 19 No. 1
DOI: 10.1038/ndigest.2022.220117
原文
The secret lives of cells — as never seen before- Nature (2021-10-28) | DOI: 10.1038/d41586-021-02904-w
- Diana Kwon
- Diana Kwonは、ベルリンを拠点とするフリーランスの科学ジャーナリスト。
参考文献
- Medalia, O. et al. Science 298, 1209–1213 (2002).
- Murphy, G. E., Leadbetter, J. R. & Jensen, G. J. Nature 442, 1062–1064 (2006).
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