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腫瘍細胞を休眠へといざなうナチュラルキラー細胞

Nature ダイジェスト Vol. 18 No. 9 | doi : 10.1038/ndigest.2021.210943

原文:Nature (2021-06-24) | doi: 10.1038/d41586-021-01381-5 | Natural killer cells lull tumours into dormancy

Noella Lopes & Eric Vivier

ナチュラルキラー細胞は、原発巣から他の場所に広がる転移がん細胞を休眠状態に誘導できることが分かった。この知見は、こうした抗腫瘍機能を妨げる経路の発見と共に、新しい治療法の開発を促す可能性がある。

肝臓に転移したがん細胞。 | 拡大する

STEVE GSCHMEISSNER/Science Photo Library/Getty

腫瘍は、最初に発生した部位から広がって、体の他の部位で増殖することがある。これは転移巣と呼ばれ、このような腫瘍を治療する取り組みはうまくいかないことが多く、がん関連死の主な原因である。そのため、がんを治癒させるという医療上の要求に応えるためには、転移巣を制御する方法を見つけることが重要である。がん細胞が、最初に発生した原発巣から移動して、体のさまざまな部位に播種される過程は、転移と呼ばれる。転移したがん細胞がその部位で増殖を開始すると転移巣が形成されるわけだが、長い間、休眠状態に保たれることもある。この休眠状態を維持するのに、免疫細胞による監視が役割を担っていることが分かっているが1、転移部位で腫瘍が休眠状態から増殖へと切り替わる機構はこれまで分かっていなかった。このほどバーゼル大学およびフリードリヒ・ミーシャー生物医学研究所およびバーゼル大学病院(スイス)のAna Luísa Correiaら2は、乳がんに起因する肝転移巣の形成の制御に、ナチュラルキラー(NK)細胞が非常に重要な役割を果たしていることを見いだし、Nature 2021年6月24日号566ページで報告している。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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