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鳥類の磁気受容の謎の解明に向けて大きく前進
感覚生物学における最大の謎は、磁気受容であると言っても過言ではない。動物は一体どのようにして地球の磁場を感知し、それをコンパスとして用いて空間定位を行うのか。鳥類をはじめ、爬虫類や魚類、甲殻類、昆虫類など、実にさまざまな動物が磁場を頼りに短距離および長距離のナビゲーションを行っているが1、磁場の方向を感知する生体組織の正体や、こうしたナビゲーションを支える感知機構はいまだ謎に包まれている。渡り鳥では、網膜に存在する光受容タンパク質のクリプトクロムが、磁気受容のカギを握る有力候補とされている2。しかし、クリプトクロムが実際に、微弱な地球磁場を感知するのに必要な磁気感受性と物理的特性を持つことを示す証拠は不足していた。今回、カール・フォン・オシエツキー大学オルデンブルク(ドイツ)のJingjing Xuら3は、まさにこうした証拠をin vitroで見いだし、Nature 2021年6月24日号535ページで報告した。これは、動物の磁気受容の謎の解明にあと一歩のところまで来たことを意味する。
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翻訳:藤野正美
Nature ダイジェスト Vol. 18 No. 9
DOI: 10.1038/ndigest.2021.210934
原文
Unravelling the enigma of bird magnetoreception- Nature (2021-06-24) | DOI: 10.1038/d41586-021-01596-6
- Eric J. Warrant
- Eric J. Warrantは、ルンド大学(スウェーデン)に所属。
参考文献
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