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マグネターの巨大フレアを観測
21世紀の天文学研究の多くは、一時的な現象の研究だ。電波からガンマ線までのあらゆる電磁スペクトルが望遠鏡で調べられていて、驚くほど多様な、短時間で謎めいていることが多い大規模現象が明らかにされつつある。超新星やガンマ線バーストなど、宇宙の爆発現象の多くに関する私たちの理解は、その内部の仕組みを見ることができないことと、私たちの銀河系(天の川銀河)ではそうした現象が稀であるために限られていた。今回、フレア(星で起こる爆発・増光現象)によるガンマ線源の、ある銀河系外種族の研究の基礎になる研究結果が、Nature 2021年1月14日号掲載の2論文1,2と、Nature Astronomy 掲載のもう1つの論文3として発表された。このガンマ線源の近縁の放射源は近傍の宇宙にも存在し、静穏期は既によく研究されている。これらのガンマ線源は、天文学の最新の話題である高速電波バースト4にも関係している可能性がある。
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翻訳:新庄直樹
Nature ダイジェスト Vol. 18 No. 4
DOI: 10.1038/ndigest.2021.210438
原文
Cosmic electromagnetic bomb sheds light on the origins of γ-ray bursts- Nature (2021-01-14) | DOI: 10.1038/d41586-020-03657-8
- Christopher Thompson
- Christopher Thompsonは、トロント大学カナダ理論天体物理学研究所(オンタリオ州)に所属。
参考文献
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