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ノーベル化学賞は「真にエレガントな」触媒に
2021年のノーベル化学賞は、化学反応を加速・制御する強力な手法を編み出した、マックス・プランク石炭研究所(ドイツ、ミュールハイム・アン・デア・ルール)のベンジャミン・リスト(Benjamin List)と、プリンストン大学(米国ニュージャージー州)のデビッド・マクミラン(David MacMillan)に贈られた。2人は1990年代に「不斉有機触媒反応」と呼ばれる新しい種類の触媒反応を別々に開発した。この反応は現在、薬剤などの化学物質の製造に広く用いられている。重要なのは、リストとマクミランが開発した有機触媒を使うと、右手と左手のように自身の鏡像に重ね合わせることができない分子(鏡像異性体)を区別して、どちらか一方を選択的に合成できることである。こうした合成は「不斉合成」として知られる。
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翻訳:藤野正美
Nature ダイジェスト Vol. 18 No. 12
DOI: 10.1038/ndigest.2021.211205
原文
‘Elegant’ catalysts that tell left from right scoop chemistry Nobel- Nature (2021-10-14) | DOI: 10.1038/d41586-021-02704-2
- Davide Castelvecchi & Emma Stoye