Obituary

追悼:ジェームズ・ランディ

Credit: LARRY BUSACCA/GETTY IMAGES FOR THE 2014 TRIBECA FILM FESTIVAL

イリュージョニストのジェームズ・ランディ(James Randi)は、そのキャリアの多くを、いんちきを暴くことに捧げた。科学と合理性によって迷信や呪術的思考と対決する「懐疑主義運動」の旗手と見なされていた彼は、Nature の編集者と協力して検証実験を行ったことでも知られ、そのショーは中世の宮廷やビクトリア時代の劇場でも受け入れられたはずだ。今日我々は、彼のような人物をこれまで以上に必要としており、それは、科学の進歩が軽信を廃絶できないだけでなく、軽信を生む新たな舞台を作り出してきたことを思い出させてくれる。

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翻訳:三枝小夜子

Nature ダイジェスト Vol. 18 No. 1

DOI: 10.1038/ndigest.2021.210116

原文

James Randi (1928–2020)
  • Nature (2020-10-29) | DOI: 10.1038/d41586-020-03050-5
  • Philip Ball
  • Philip Ballはサイエンスライターで、 ベンベニスト騒動の際にはNature の物理学の編集者だった。 『H2O: A Biography of Water』(水の伝記) 『The Devil's Doctor: Paracelsus and the World of Renaissance Magic and Science』 (悪魔の医師:パラケルススとルネッサンスの魔術と科学の世界)など著書多数。