Where I Work

Rose A. Marks

Nature ダイジェスト Vol. 17 No. 9 | doi : 10.1038/ndigest.2020.200952

原文:Nature (2020-03-09) | doi: 10.1038/d41586-020-00673-6 | Where I Work: Rose A. Marks

Abdullahi Tsanni

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Jennie Lyn Pretorius

私は、植物たちが地球上で最も過酷な条件のいくつかにどのように適応しているかを研究しています。中でも注目しているのは、南アフリカのミロタムヌス・フラベリフォリア(Myrothamnus flabellifolia)です。完全に乾燥した状態で何年も生き延びることができ、「復活植物」とも呼ばれます。こうした植物の回復力の強さを理解することができれば、干ばつに強い作物の開発につながるかもしれません。

私はしばしばバッフェルスクルーフ自然保護区(南アフリカ・ムプマランガ州)を訪れて、高さ100mの珪岩の断崖に生えるM.フラベリフォリアを計測し、試料を採取しています。写真は、断崖から懸垂下降するところです。こうして植物に近づいて、高さや性別、花の個数、水分量、土の深さを記録します。植物の構造や生活史、乾燥耐性が、時間の経過や崖面での高さとともにどのように変化するかを解明したいと思っています。

ロッククライミングは、この研究を始める10年以上前からやっていました。懸垂下降の正式な訓練を受けたことはありませんが、友人や指導者に基礎を教わり、後は経験を通して学びました。両足首を骨折したことがありますし、15mも滑落してからロープで止まったこともあります。

あるとき、私のこの技術を利用すれば、ほとんど研究されていない、極限環境に生息する植物群落に近づけることに気が付きました。おかげで、M.フラベリフォリアの花にも乾燥耐性があることや、断崖の植物が乾燥するペースが、光の当たり具合や土壌の深さや保水力によって異なることを明らかにできました。

私が野外調査を行っている現場は研究室から1700kmも離れています。ケープタウン空港からヨハネスブルク空港までは飛行機で2時間かかり、そこから車で4時間半かかります。現場の岩肌は日中は40℃以上になり、道具を持つ手はやけどをします。必要な装備や補給用品が手に入らないこともあります。

2019年11月には、試料凍結用のドライアイスを求めて約40kmも車を走らせました。財布を持っていくのを忘れていたのですが、お店の人が「お代は次でいいですよ」と言ってくれました。本当にありがたかったです。

(翻訳:三枝小夜子)

Rose A. Marksは、ケープタウン大学(南アフリカ)分子細胞生物学ポスドク研究員

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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