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培養細胞塊でヒト胚発生の重要段階を模擬

上:初期胚の過程を模擬する、ガストロイドと呼ばれる構造体。
下:凝集から72 時間後に「前後(頭尾)」パターンを示すヒトのガストロイド。緑色(CDX 2)は後部を示し、胚の尾部と似ている。赤紫色(GATA 6)は前部を示し、発生中の心臓の細胞と似ている。 Credit: NAOMI MORIS

ヒト発生の重要だが謎に包まれたステージを模擬する初めての胚様構造体が作製され、Nature 6月18日号410ページで発表された(N. Moris et al. Nature http://doi.org/dzhm; 2020)。体が形作られる過程を示す胚様の立体的集合体はガストロイド(gastruloid)と呼ばれる。このガストロイドは幹細胞から作製され、心臓と神経系の原始的なコンポーネントを発生させたが、生きた胎児になるために必要な脳などの他の種類の細胞を形成するコンポーネントを欠いている。

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翻訳:古川奈々子

Nature ダイジェスト Vol. 17 No. 9

DOI: 10.1038/ndigest.2020.200915

原文

Lab-grown cells mimic crucial moment in embryo development
  • Nature (2020-06-11) | DOI: 10.1038/d41586-020-01757-z
  • David Cyranoski