Where I Work

Martyn Poliakoff

Nature ダイジェスト Vol. 17 No. 6 | doi : 10.1038/ndigest.2020.200652

原文:Nature (2020-01-08) | doi: 10.1038/d41586-019-03962-x | Where I Work: Martyn Poliakoff

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Leonora Saunders

オフィスに人が来ると、「散らかっていてごめんなさい」といつも謝っています。何十枚という周期表に、数百本ものプラスチックボトル、壁中に貼られた絵、天井に届きそうな本の山、人々が捨てそびれた古い備品などでいっぱいです。

私はグリーンケミスト、つまり環境に優しい化学を研究しています。有害な副産物をできるだけ出さないプロセスに興味を持っており、英国工学・物理科学研究会議が出資するPhoto-Electroというプロジェクトのメンバーでもあります。Photo-Electroは、化学物質や溶媒の量、複雑分子合成に必要なステップ数を最小限にすることを目的としています。例えば、光と電気を使って、より高い効率で化学物質を合成する方法を研究しています。

でも、周期表の普及家としての顔の方がよく知られているようです。オフィスには、周期表をモチーフにしたさまざまなものがあります。例えば、多数の周期表ネクタイや、空っぽですが周期表チョコレートの箱、それから微小な周期表を刻み込んだ私の髪の毛。

おもちゃもたくさんあります。C60フラーレン(炭素原子60個で構成されるサッカーボール状の分子)に見える犬用のおもちゃに、いろいろなルービックキューブ。解けないのですが、いじるのが楽しいのです。指で潰すとニセの卵が出てくるプラスチック製のカエルといった他愛もないものもあります。

全ての科学者にとって、大きな課題は新しいアイデアを生み出すことです。創造力をテーマにしたワークショップでは、おもちゃがあちこちに置かれているのが一般的です。たくさんの絵やおもちゃを周りに置くのは、気持ちを楽にして革新を促す良い方法だと考えています。

私は、より環境に優しい方法でプラスチックを作ることを目指す長期プロジェクトに携わり、スケールは小さいながらも成功しました。会社はスケールアップの価値はないと判断しましたが、私は多くのことを学びましたし、プラスチックボトルは会話を切り出す良いきっかけになっています。かなりの来訪者が、私のオフィスにいることを楽しんでくれているようなのですから。

(翻訳:藤野正美)

Martyn Poliakoffは、ノッティンガム大学(英国)のグリーンケミスト。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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