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ヒトの足のアーチ構造と剛性の進化

Credit: Laurence Monneret/The Image Bank/Getty

ヒトは両足を使って、地上を効率的に歩いたり走ったりできるように進化してきた。他の霊長類には見られないアーチ型の足は、ヒト固有の特徴であり、二足歩行をする上で欠かせない。アーチ構造は足に剛性を付与する。足の筋肉が地面を蹴り出すときに発生する力を伝えるためには、この剛性が必要となる。アーチ構造はまた、足に柔軟性を与える。それによって足はバネのように働き、力学的エネルギーをいったん蓄えてから放出することができるのだ。このほど、足の剛性を担っている構造について、エール大学(米国コネチカット州ニューヘイブン)のMadhusudhan Venkadesanら1が新しい見解をNature 2020年3月5日号97ページで報告している。彼らの発見は、足の進化を理解する上で興味深い知見であるのみならず、足の健康を考えたり、より優れた靴を設計したりする際のフレームワークともなり得るものだ。

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翻訳:藤山与一

Nature ダイジェスト Vol. 17 No. 6

DOI: 10.1038/ndigest.2020.200634

原文

Ahead of the curve in the evolution of human feet
  • Nature (2020-03-05) | DOI: 10.1038/d41586-020-00472-z
  • Glen A. Lichtwark & Luke A. Kelly
  • Glen A. Lichtwark & Luke A. Kellyは、クイーンズランド大学(オーストラリア・セントルシア)に所属。

参考文献

  1. Venkadesan, M. et al. Nature 579, 97–100 (2020).
  2. Pontzer, H. Curr. Biol. 27, R613–R621 (2017).
  3. Holowka, N. B. & Lieberman, D. E. J. Exp. Biol. 221, eb174425 (2018).
  4. Ker, R. F., Bennett, M. B., Bibby, S. R., Kester, R. C. & Alexander, R. M. Nature 325, 147–149 (1987).
  5. Ward, C. V., Kimbel, W. H. & Johanson, D. C. Science 331, 750–753 (2011).
  6. Jungers, W. L. Nature 297, 676–678 (1982).
  7. Ward, C. V. Am. J. Phys. Anthropol. 119 (Suppl. 35), 185–215 (2002).
  8. Hatala, K. G., Demes, B. & Richmond, B. G. Proc. R. Soc. B 283, 20160235 (2016).