News in Focus
微生物が身に付けた極限環境でのサバイバル術
南西インド洋海嶺上の「アトランティス海台」で回収された岩石コア試料の新たな分析によって、海洋地殻の深部にも細菌やアーキアなどの微生物が存在することが明らかになり、Nature 2020年3月12日号250ページで報告された1。これらの単細胞生物は、栄養素などの資源が極めて少ない海洋下部地殻の微細な亀裂中に生息し、海水などで運ばれる微量の有機炭素を最大限に活用することで、ゆっくりだが確実に生存・増殖しているとみられる。今回の発見で、地球上で生物が生息可能と考えられる領域がまた大きく広がったことになる。
全文を読むには購読する必要があります。既に購読されている方は下記よりログインしてください。
本サービスでは、サイトご利用時の利便性を向上させるためにCookiesを使用しています。詳しくは、シュプリンガーネイチャー・ジャパン株式会社の「プライバシー規約」をご覧下さい。
翻訳:小林盛方
Nature ダイジェスト Vol. 17 No. 5
DOI: 10.1038/ndigest.2020.200505
原文
These microbial communities have learned to live at Earth’s most extreme reaches- Nature (2020-03-12) | DOI: 10.1038/d41586-020-00697-y
- Monique Brouillette
参考文献
- Li, J. et al. Nature 579, 250–255 (2020).
- D’Hondt, S. et al. Science 306, 2216–2221 (2004).
- Mhatre, S. S. et al. FEMS Microbiol. Ecol. 95, fiz068 (2019).