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抗生物質に新たな問題

抗生物質を投与されたウシの糞は、土壌中の細菌と真菌の組成を変えている。 Credit: DUSTY PIXEL PHOTOGRAPHY/MOMENT/GETTY

抗生物質が初めて家畜に用いられた1940年代半ば以降、その妥当性を巡って議論が続いている。2019年12月のEcology Lettersに掲載された研究はこの議論に新たな視点を加えた。農家は堆肥を使って土壌の炭素分を高めるとともに植物が得られる栄養を増やしているが、この研究は、よく使われる2つのタイプの抗生物質を投与された乳牛の糞が土壌中の細菌と真菌の組成も変えていることを示した。この変化は植物が大気中の二酸化炭素(CO2)を固定して有機物に変換するプロセスに影響していた。つまり気候変動を緩和する戦略にも関わってくる。

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Nature ダイジェスト Vol. 17 No. 4

DOI: 10.1038/ndigest.2020.200413a