Feature

100万年以上続いた後期三畳紀の長雨

乾燥しきった三畳紀のさなかに極めて湿潤な時期があったという説は、発表から30年を経て今ようやく受け入れられつつある。世界各地の岩石で発見されているこの長雨の痕跡は、この事象が地球上の生命の大きな転換期となり、恐竜類の隆盛にもつながったことを示唆している。

拡大する

ARTERRA/UNIVERSAL IMAGES GROUP VIA GETTY

Nature ダイジェスト Vol. 17 No. 3 | doi : 10.1038/ndigest.2020.200314

原文:Nature (2019-12-05) | doi: 10.1038/d41586-019-03699-7 | Did a million years of rain jump-start dinosaur evolution?

Michael Marshall

英国サマセット州出身のAlastair Ruffellは、1980年代中頃のある日、実家近くのライプヒル(Lipe Hill)の道端で露出していた岩石に目を留めた。2億年以上前の三畳紀のものと見られるその露頭は全体的に暗い橙赤色をしており、この地域が当時太陽に照り付けられカラカラに乾燥していたことを物語っていた。それ自体になんら問題はない。この時代の気候は総じて乾燥していたことが知られていたからだ。ところが、Ruffellの目の前にある赤みがかった岩石には、ある奇妙な特徴があった。真ん中を、1本の灰色の細い線が貫いていたのだ。この層の存在は、乾ききった砂漠が沼の点在する湿地へと変貌を遂げた時期があったことを意味していた。この時代、何らかの理由で乾燥した気候が湿潤な気候へと移行し、その状態が100万年以上にわたって続いたのだ。

全文を読むには購読する必要があります。既に購読されている方は下記よりログインしてください。

Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

プライバシーマーク制度