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既製の細胞性の栓が皮膚創傷を治す
皮膚は表皮と呼ばれる外側の層と、真皮と呼ばれる内側の層からなる。皮膚は、つまむと持ち上げることができるが、それは表皮と真皮が筋膜と呼ばれる膜状のシートの上を自由に動くことができるからだ。筋膜は、細胞と細胞外マトリックスを構成する成分を含んでおり、皮膚とその下の筋肉や骨などのより硬い構造との間に摩擦のない界面を作り出している。しかし、筋膜の役割は、付着せずに自由に動く面を提供することだけではなさそうだ。筋膜には可動性のシーラントが含まれていて、それが深い創傷をつなぎ合わせて早期の創傷修復を可能にすると、ヘルムホルツセンターミュンヘン(ドイツ)のDonovan Correa-Gallegosら1が、Nature 2019年12月12日号287ページで報告しているのだ。
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翻訳:古川奈々子
Nature ダイジェスト Vol. 17 No. 3
DOI: 10.1038/ndigest.2020.200339
原文
Ready-made cellular plugs heal skin wounds- Nature (2019-12-12) | DOI: 10.1038/d41586-019-03602-4
- Mark C. Coles & Christopher D. Buckley
- Mark C. Colesは、オックスフォード大学ケネディリウマチ学研究所(英国)に所属、Christopher D. Buckleyは、オックスフォード大学ケネディリウマチ学研究所とバーミンガム大学炎症加齢研究所(英国)に所属。
参考文献
- Correa-Gallegos, D. et al. Nature 576, 287–292 (2019).
- Rinkevich, Y. et al. Science 17, aaa2151 (2015).
- Dunkin, C. S. et al. Plast. Reconstr. Surg. 119, 1722–1732 (2007).
- Muzumdar, M. D. et al. Genesis 45, 593–605 (2007).
- Driskell, R. R. & Watt, F. M. Trends Cell Biol. 25, 92–99 (2014).
- Stecco, C. et al. J. Bodywk Mov. Ther. 22, 354 (2018).
- Peng, G. L. & Kerolus, J. L. Facial Plast. Surg. Clin. N. Am. 27, 513–517 (2019).