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造血幹細胞を実験室で安価に大量増幅させる新技術

今回の技術が実用化されれば、造血幹細胞を骨髄から採取する必要がなくなるかもしれない。 Credit: Morsa Images/DigitalVision/Getty

液体のりに含まれるポリビニルアルコール(PVA)と呼ばれる極めて単純な化合物を用いることで、実験室で造血幹細胞(HSC)を大量に増幅(自己複製)できることが、Nature 2019年7月4日号117ページで報告された(A. C. Wilkinson and R. Ishida et al. Nature http://doi.org/gf3h99; 2019)。この増幅HSCをマウスに注入すると、血液系の重要な細胞が産生されるようになった。この研究は、中内啓光が率いる東京大学とスタンフォード大学(米国カリフォルニア)のチームと、理化学研究所との共同研究による成果で、東京大学の山崎聡が中心となって進めた。

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翻訳:三谷祐貴子

Nature ダイジェスト Vol. 16 No. 9

DOI: 10.1038/ndigest.2019.190906

原文

Blood stem cells produced in vast quantities in the lab
  • Nature (2019-05-30) | DOI: 10.1038/d41586-019-01690-w
  • David Cyranoski