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電解液の「血液」で泳ぐロボット魚

James Pikul

体内を循環する電解質の「ロボット血液」によって、充電することなく長時間テザーなしで泳ぐことのできるロボット魚が作製され、Nature 2019年7月4日号51ページで報告された1。今回開発された、全長約40cmのミノカサゴ型ソフトロボットには、いわゆる従来型の電池は使われていない。代わりに、このロボット魚の内部では、エネルギー貯蔵とひれの動きの制御という2つの機能を兼ね備えた特殊な液体が循環していて、これが長時間の泳ぎを可能にしている。この「ロボット血液」は、電解質の循環により酸化還元反応を進行させて充放電を行う「レドックスフロー電池」に着想を得たもので、より小さな空間により多くのエネルギーを蓄えることで、重くてかさばる電池パックを用いることなく、より長時間の稼働が可能になった。

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翻訳:三枝小夜子

Nature ダイジェスト Vol. 16 No. 8

DOI: 10.1038/ndigest.2019.190802

原文

Robo-Fish powered by battery ‘blood’
  • Nature (2019-06-19) | DOI: 10.1038/d41586-019-01951-8
  • Nick Howe

参考文献

  1. Aubin, C. A. et al. Nature 571, 51–57 (2019).