News Feature

核実験の負の遺産と生きる人々

カザフスタンのセメイ市の自宅の窓辺に立つ Berik Syzdykovには先天性の障害がある。 彼の母親は妊娠中に放射性降下物にさらされた。 Credit: PHIL HATCHER-MOORE

セメイ市はカザフスタン北東部の平原にある小さな工業都市だ。旧ソビエト連邦時代にはセミパラチンスクと呼ばれていた。市内各所の公園にはいまだにレーニン像がそびえているが、さすがに傷みが目立ち、落書きされているものもある。ソ連時代の角ばった車やバスが今も現役で走っていて、旧体制の名残である煉瓦造りの高層アパートやひび割れた歩道の脇をよろめくように通り過ぎてゆく。

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翻訳:三枝小夜子

Nature ダイジェスト Vol. 16 No. 7

DOI: 10.1038/ndigest.2019.190714

原文

The nuclear sins of the Soviet Union live on in Kazakhstan
  • Nature (2019-04-04) | DOI: 10.1038/d41586-019-01034-8
  • Wudan Yan
  • Wudan Yanは、米国ワシントン州シアトル在住のジャーナリスト。

参考文献

  1. Sviatova, G. S., Abil’dinova, G. Zh. & Berezina, G.M. [in Russian] Genetika 37, 1696–1704 (2001).
  2. Apsalikov, K. N. et al. Radiat. Environ. Biophys. 58, 1–11 (2019).
  3. Dubrova, Y. E. et al. Science 295, 1037 (2002).

  4. Markabayeva, A. et al. Environ. Res. 167, 129–135 (2018).