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アドレナリンがサイトカインストームを促進する

Nature ダイジェスト Vol. 16 No. 3 | doi : 10.1038/ndigest.2019.190333

原文:Nature (2018-12-13) | doi: 10.1038/d41586-018-07581-w | Adrenaline fuels a cytokine storm during immunotherapy

Stanley R. Riddell

抗腫瘍免疫応答を増強する治療では、サイトカインストームと呼ばれる有害な炎症応答が引き起こされることがある。今回、こうした有害な応答を防ぐのに役立つ可能性がある新しい知見が得られた。

最近開発された強力ながん治療法の多くは、腫瘍を標的とする免疫応答を利用している1。しかし、こうした免疫療法では、サイトカインストーム2,3と呼ばれる重篤な炎症応答が引き起こされるという問題がある。この応答では、サイトカインと呼ばれるタンパク質のレベルが異常に高くなり、その結果、発熱、低血圧、心臓の障害が引き起こされ、一部の症例では臓器不全や死亡につながる。従って、抗がん治療の効果を保ちつつサイトカインストームを防ぐ方法を開発するために、サイトカインストームを引き起こす機構を理解することに大きな関心が集まっている。このほどジョンズホプキンス大学(米国メリーランド州ボルティモア)のVerena Staedtkeらは、サイトカインストームを、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)と呼ばれるホルモンによって阻止できること、また、アドレナリン(別名エピネフリン)などのカテコールアミンと総称されるホルモンを作り出す免疫細胞にはカテコールアミンやサイトカインの自己増幅的な産生ループが存在していて、このカテコールアミン産生がサイトカインストームの開始や維持を助けていることをを明らかにし、Nature 2018年12月13日号273ページに報告した4

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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