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小地震も大地震も始まりは似ている

Nature ダイジェスト Vol. 16 No. 12 | doi : 10.1038/ndigest.2019.191236

原文:Nature (2019-09-05) | doi: 10.1038/d41586-019-02613-5 | Small and large earthquakes can have similar starts

Rachel E. Abercrombie

小さな地震と大きな地震の始まりは、よく似ているのか、あるいは異なっているのか、という問題は、地震学の長年の課題だ。日本周辺の地震を分析した結果、一部のケースでは、小さな地震と大きな地震の始まりはほぼ同一であることが分かった。

図1 2011年東北地方太平洋沖地震による被害
2011年3月11日、日本の近代地震観測史上最も強い地震が発生して津波を引き起こし、壊滅的な被害を与えた。井出は、大きな地震の始まりは、小さな地震の始まりとほぼ同一である場合があることを見いだした1。これは、地震の最終的な大きさの予測に関わる知見だ(写真は2011年3月21日、自宅の片付けをする男性。宮城県気仙沼市で)。 | 拡大する

CHRIS MCGRATH/GETTY

ある地震がどれだけ大きくなるのかが分かるのはどの時点だろうか? 1つの地震のマグニチュードは、その成長の始まりの状況とダイナミクスに左右されるのだろうか? もし左右されるのであれば、初期の地震波の観測により、あるいは地震が起こるだろう地域の観測によっても、地震動の早期警報が可能になるかもしれない。一方、左右されないなら、そうした短期予測の可能性は低い。東京大学大学院理学系研究科の井出哲はこのほど、日本周辺で起こった数千回の大きな地震と、それらに近い震源を持つ小さな地震について、互いの始まりの地震波の波形を比較し、Nature 2019年9月5日号112ページに報告した1。井出は、今回分析した地震波の周波数範囲では、大きな地震の約20%の始まりの地震波は、それらと震源が近い小さな地震の始まりの地震波と区別がつかないことを見いだした。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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