Research Highlights
地中600mの暗闇で生きるシアノバクテリア
水が乏しく、日光も届かない地中500m以上の深さで、奇妙な細菌がひしめき合うコミュニティーが発見された
スペイン宇宙生物学センター(マドリード)のFernando Puente-Sánchezらは、スぺインの廃鉱でボーリング調査を行い、長い岩石コアを採取した。岩石コアには、シアノバクテリア(通常は日光を利用して光合成を行う)の仲間をはじめとする多くの細菌が含まれていた。
ゲノム解析の結果、これらのシアノバクテリアは水素をエネルギーに変換するのに必要な酵素を産生している可能性があることが分かった。また、岩石コアの全長にわたり、シアノバクテリアが最も多く含まれていた場所では水素濃度が最も低くなっていたことも明らかになった
こうしたシアノバクテリアは、水素からエネルギーを作っていて、地中の岩石にコロニーを形成できるようになった最初の微生物なのかもしれないと、研究チームは提案している
翻訳:三枝小夜子
Nature ダイジェスト Vol. 16 No. 1
DOI: 10.1038/ndigest.2019.190113
原文
Gone to the dark side: bacteria thrive 600 metres below Earth’s surface- Nature (2018-10-02) | DOI: 10.1038/d41586-018-06911-2
- Proc. Natl Acad. Sci. USA (2018)