移民と難民は経済に好影響
Nature ダイジェスト Vol. 15 No. 8 | doi : 10.1038/ndigest.2018.180804
原文:Nature (2018-06-20) | doi: 10.1038/d41586-018-05507-0 | Migrants and refugees are good for economies
移民や難民の受け入れは国の経済と財政の重荷になるとみなされることが多いが、西ヨーロッパ15カ国の30年間の統計データを計量経済学の数学的モデルを使って分析したところ、この従来の見方に反する結果が得られた。
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安全な避難場所や新たなチャンスを求めて移住する難民と移民は、移住から5年以内に受け入れ国の経済にプラスに働くことが、西ヨーロッパの15カ国の30年間の統計データを分析した研究により示された。この研究によると、移住者の急増から数年で、その国の経済状態は改善し、失業率は下がり、税収は増えたという。この分析結果は、「難民は国の公的資源を消費することにより、財政的重荷になる」という見方にも疑問を投げかけている。