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20 April 2018
インフルエンザゲノムをRNAのままシーケンス
インフルエンザウイルスは、ゲノム塩基配列がその本来の状態で解読された最初のRNAウイルスとなった。 Credit: DR. GOPAL MURTI/GETTY
遺伝物質(ゲノム)をRNAの形で保存しているインフルエンザウイルス。そのゲノム塩基配列が、RNAのまま初めて完全に解読された1。インフルエンザウイルスをはじめ、遺伝物質をRNAで保存するウイルスはこれまで全て、RNA分子をDNA分子に写し取ることで解読されてきた。今回のインフルエンザウイルスゲノム「原本」は、ナノポア(nanopore;ナノサイズの穴の意味)塩基配列解読法を利用して明らかにされた。この技術では、RNAの鎖が細孔をすり抜けるときのイオン電流の変化(塩基により異なる)に基づき個々の塩基配列を読み取る(Nature ダイジェスト 2014年6月号「『1000ドルゲノム』成功への軌跡」参照)。
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翻訳:小林盛方
Nature ダイジェスト Vol. 15 No. 7
DOI: 10.1038/ndigest.2018.180713
原文
Flu virus finally sequenced in its native form- Nature (2018-04-20) | DOI: 10.1038/d41586-018-04908-5
- Ewen Callaway
参考文献
- Keller, M. W. et al. Preprint at bioRxiv https://doi.org/10.1101/300384 (2018).
- Peattie, D. A. Proc. Natl Acad. Sci. USA 76, 1760–1764 (1979).
- Garalde, D. R. et al. Nature Meth. 15, 201–206 (2018).
- Courtney, D. G. et al. Cell Host Microbe 22, 377–386. e5 (2017).