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うつ病の下地「バースト発火」が起こる仕組み

Nature ダイジェスト Vol. 15 No. 5 | doi : 10.1038/ndigest.2018.180528

原文:Nature (2018-02-15) | doi: 10.1038/d41586-018-01588-z | Burst firing sets the stage for depression

William M. Howe & Paul J. Kenny

脳の外側手綱核のニューロンが一斉に連続発火する「バースト発火」は、近隣のアストロサイトによって調節されることが突き止められた。この研究は、ケタミンの抗うつ作用の機序についても理解をもたらし、次世代抗うつ剤開発の助けになる可能性がある。

ニューロン(黄)間を埋めるように存在するアストロサイト(橙)は、ニューロンに必要な神経栄養因子を産生する他、シナプスで放出された伝達物質の取り込みにも関与することが知られている。赤は血管、灰はオリゴデンドロサイト、白はミクログリア。 | 拡大する

JUAN GARTNER/SPL/Getty

私たちの日常生活は対抗する力によって形作られている。例えば、私たちは刺激によって動くか停止するかを決めるし、いろいろな出来事のせいで幸福を感じたり悲しんだりする。つまり、私たちの脳は「陰陽」系で設計され、これが行動を誘導し、気持ちに影響を及ぼす。中脳辺縁系のニューロンは報酬探索行動を促して、快楽的な結果をもたらす行動についての情報処理を助ける1-3。対照的に、外側手綱核(LHb)のニューロンは、有害な結果に関連する情報を符号化して、報酬探索を抑制する4-6。従って、これらの対抗する系のバランスが崩れると、私たちの行動に影響が表れる可能性がある。実際、最近得られた証拠により7、LHbの過活動が大うつ病などの気分障害に寄与することが示唆されている。今回、浙江大学(中国)のHailan Hu(胡海俊)が率いる研究グループが、LHb過活動の基礎となるメカニズムと、ケタミン(抗うつ効果が知られている麻薬)がこの状態を調節する仕組みを解明し、Nature 2018年2月15日号で2編の論文8,9として報告した。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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