標準モデルの亀裂を探るBelle II実験
Nature ダイジェスト Vol. 15 No. 4 | doi : 10.1038/ndigest.2018.180410
原文:Nature (2018-01-18) | doi: 10.1038/d41586-018-00162-x | Revamped collider hunts for cracks in the fundamental theory of physics
高エネルギー加速器研究機構(KEK)のBelle II実験が、標準モデルでは説明できない「新しい物理」の探求を開始する。
KEK/BELLE II
物理学のフロンティアの新たな探究が日本で始まることを受け、研究者の間で期待が高まっている。世界有数の加速器研究所で、高エネルギー電子のビームを電子の反粒子である陽電子に衝突させる「Belle II(ベル・ツー)実験」が始まるのだ。実験の目的は、稀にしか起こらないが「標準モデル」を拡張する可能性のある、新しい現象の手掛かりをつかむことにある。標準モデルは物質と力について記述する物理学理論で、非常にうまく機能しているが、完全ではないとされている。