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感染したインフルエンザの亡霊

5000万人近い死者を出した1918年の世界的なインフルエンザ大流行の最中、自らを守るためにマスクをかけた米国ワシントン州シアトルの警察官たち。 Credit: NATIONAL ARCHIVES/TIME LIFE/GETTY

ヒトは通常、3歳頃までに最初のインフルエンザ感染を経験する。インフルエンザにかかると高熱が出る他、筋肉の痛みも生じる。恐らく本人は、こんな幼い頃にインフルエンザにかかったことなど覚えていないだろう。ところが、その子の免疫系はちゃんと覚えているのである。

インフルエンザウイルスが乳幼児の体内に入ると、その存在が刺激となって、未成熟でまだ分化先が定まっていない免疫細胞群が、そのウイルスの監視者かつ暗殺者になるべく競い始める。その中の勝者、つまり侵入したインフルエンザウイルスに最も強く結合する免疫細胞が、この病原体の記憶を蓄え、次に襲来した際にすぐにこれを認識して攻撃できる態勢を整える。

しかし、インフルエンザは常習的に構造を変えるウイルスだ。外殻タンパク質の領域は複製に際して変異することができ、これによって免疫系の防御機構から逃れられる。乳幼児期以降に新しいインフルエンザ株に感染した場合、その人の免疫系は、人生で最初に出合った株に基づく応答を開始し、見覚えのあるウイルス領域には強く反応するが、変化したウイルス領域には反応しない。つまり免疫細胞は、新たな株に遭遇した際に役立つような新規の抗体をあつらえることはできないのだ。

免疫系が最初に出合ったインフルエンザ株をどのくらい正確に「刷り込んで」いるかは、インフルエンザ研究者にとって非常に興味深い問題であり、これを解明すれば、インフルエンザウイルスと闘ったりワクチンを改良したりする助けになると思われる。

免疫の刷り込みが働く仕組みを解明すれば、季節性インフルエンザ株や世界的大流行(パンデミック)でどのような人々が罹患するかを予測するのに役立つのではないかと、研究者らは考えている。次々と出る証拠から、一部の人々が重篤な状態になった致死的なインフルエンザの大流行では、乳幼児期に最初に遭遇したのが別の型のウイルスであったためであることが示唆されている。全世界の死者数が推定5000万人に上る1918年の世界的大流行では、若年成人の死亡率が他の年齢層よりも高かったが、その理由はこうした事情からではないかと考えられている1

免疫の刷り込みに関する知識は、世界で数年にわたって流行するウイルス株に対抗できる、より有効な季節性インフルエンザワクチンを開発するのに役立つだろう。さらに、インフルエンザの全く新しい亜型(恐らく世界的大流行を引き起こす)の感染を生涯にわたって予防できる念願の万能インフルエンザワクチンを開発するためにも、そうした知識が役立つと考えられる。刷り込みは、最初に感染した株に加えて近縁なインフルエンザ株に対しても、ある程度の免疫をもたらすようだ。この幅広い免疫は、広範な株に対する防御を持つように免疫系を誘導できることの証しだと見る向きも多い。「ここから、幅広い防御能を持つ免疫応答を引き起こせるかもしれないという期待が生まれます」と、ミシガン大学(米国アナーバー)の疫学者Aubree Gordonは話す。

既存のインフルエンザワクチンがある程度役立っていることは確かだろう。しかし、これらのワクチンの効果は数カ月で消えてしまい、その短い期間中であってもさほど有効ではない。米国では、2017〜18年のインフルエンザ流行期におけるワクチン接種群の発症率は、非接種群の発症率より36%低いだけだった。ただしワクチンを接種することで、インフルエンザにかかっても症状が重くならずに済む場合もある。

免疫の刷り込みは、ワクチンのこうした不十分な予防効果を説明する助けになるかもしれない。しかし今のところ、刷り込みの背後にある仕組みはほとんど分かっていないのだと、ロチェスター大学医療センター(米国ニューヨーク州)の小児免疫学者Jennifer Nayakは話す。インフルエンザ感染履歴が異なる万人に対して効果を発揮する万能ワクチンを作りたいと考えるなら、刷り込みに真正面から取り組むことが重要だと、ペンシルベニア大学(米国フィラデルフィア)のウイルス免疫学者Scott Hensleyは話す。「同じワクチンを接種しても、感染履歴に依存する形で、人によって異なる免疫応答が引き起こされることになります」と彼は言う。

米国立衛生研究所に冷凍保存されているインフルエンザウイルス株。 Credit: TIMOTHY CLARY/AFP/GETTY

2018年4月、米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID;メリーランド州ベセスダ)は、万能インフルエンザワクチンの研究に資金提供する幅広い取り組みの一環として、免疫に刻み込まれた刷り込みの効果を探るプロジェクトを申し出るよう研究者らに呼び掛けた。NIAIDは現在、赤ちゃんを募集してモニタリングする大規模コホート研究に500万ドル(約5億5000万円)を投じる計画を立てている。この計画は、出生時から少なくとも3回のインフルエンザ流行期にわたって、乳幼児の免疫系が最初のインフルエンザ感染やその後の感染、ワクチン接種にどのように応答するのかを分子レベルで調べるというものだ。乳幼児で推奨される予防接種の時期は通常、生後6カ月以降である。

インフルエンザウイルス本体の研究だけで得られる情報は限られており、予防策を向上させるにはヒトを対象とした研究も極めて重要になる。研究者らが現在、実感しているのは、人体は意外と幅広い免疫応答が可能であり、インフルエンザのように構造変異するウイルスに対してさえも応答できるということだ。「インフルエンザは地球上で最も研究されているウイルスの1つです。しかし我々は今、すでに地図が仕上がっていると思っていた世界に全く新しい大陸を見いだしているところなのです」と、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA;米国)の疫学者Katelyn Gosticは話す。

Credit: TIMOTHY CLARY/AFPKATERYNA KON/SPL/Getty

インフルエンザの基礎

免疫の刷り込みという概念を最初に提唱したのは、ミシガン大学のウイルス学者で疫学者でもあった故トーマス・フランシス(Thomas Francis)である。彼は1940年代から50年代の研究で、ヒトが生まれて初めて遭遇したインフルエンザウイルス株に対して生じる抗体反応は、それ以降に遭遇したウイルス株で生じる抗体反応よりも強いことを初めて示した2

それ以来、研究者らはこの概念を練り直してきた。中国南部の7〜81歳の計150人以上を対象にした研究では、数種類のインフルエンザウイルス株に対する抗体値を測定し、被験者の免疫系が人生のさまざまな時点で出合ってきたウイルス株にどのように応答するかを調べた。その結果、最初のインフルエンザ感染の後、出合った時期が遅いウイルス株ほど免疫応答を引き起こしにくくなっていくことが明らかになった3と、ジョンズホプキンス大学公衆衛生大学院(米国メリーランド州ボルティモア)の疫学者でこの論文の共著者でもあるJustin Lesslerは説明する。「免疫の刷り込みは極めて重要な役割を果たしていますが、それだけに注目していると、インフルエンザへの免疫が複数回のウイルス遭遇を通じてどのように推移するのかという重要な側面を見逃してしまう可能性があります」と彼は話す。

2009年にメキシコで新型インフルエンザが出現して世界的に大流行したが、これは研究者にとって、現代の免疫学の手法を使って刷り込みを研究する、またとない機会になった。一連の研究4,5から、この型のインフルエンザウイルスは、乳幼児期に刷り込みを受けて以来休眠状態だった幅広い免疫を「呼び覚ます」ほど強力な免疫応答を引き起こすことが示唆された。感染した人々の多くは、この新しいインフルエンザ株だけでなく、幅広い近縁株も攻撃できる抗体を作り出していたのだ。

インフルエンザウイルスにはいくつかの型がある。ヒトで発症する主要な型には多くの亜型があり、それらの名称はウイルス表面のタンパク質にちなんで付けられている。表面の赤血球凝集素(HA)タンパク質は18種類、ノイラミニダーゼ(NA)タンパク質は11種類が知られている。ウイルスの各亜型にはHAとNAが各1種類ずつあり、両者を併記して名称としている(例えばH1N1やH3N2など)。中には特定の動物群にしか感染しないものもあるが、ヒトにも感染可能な新しい型に変化できるものもある。

支配的なインフルエンザ株
インフルエンザでは時間と共にさまざまな亜型が出現し、時には世界的大流行を引き起こすものも現れる。ある人の出生年に流行していた亜型は、その人の世界的流行株に対する免疫応答に影響を及ぼし、類似の亜型に対する防御能は高まるが、異なる亜型には感染しやすくなる。 Credit: SOURCE: P. R. SANDERS-HASTINGS AND D. KREWSKI PATHOGENS 5, 66 (2016).

2016年、Gosticは同僚らと、6カ国で流行した2つの鳥インフルエンザ亜型(H5N1とH7N9)について、既知のヒト発症例全てを解析してScienceで報告した6。この2つのウイルス亜型は異なる年齢層で流行しており、H5N1の症例は主に若年者だったが、H7N9のほぼ全ての症例は高齢者だった。これらのインフルエンザにかかった各個人の出生年を見たところ、感染のしやすさは1968年を境に突然変化していた。この年より前に生まれた人々はH7N9にかかりやすく、それ以降に生まれた人々はH5N1にかかりやすかったのだ。

これらの人々は以前にH5N1とH7N9のどちらにも遭遇していないが、出生年に応じた形で近縁な型のウイルスに出合っていた。インフルエンザの亜型はHAタンパク質の一部の特徴によって2つのグループに分けられる。H5N1は、1968年より前に季節的に流行したH1N1やH2N2と同じ大きな第1グループに属する。

1968年より前に生まれた人は誰もが、この第1グループの株の1つによって免疫の刷り込みを受け、そのためH5N1から守られたのだと考えられる。しかし1968年に全てが変わった。H3N2が世界的に大流行し、唯一の季節性インフルエンザ亜型となったのだ。その結果、この時期以降に生まれた人の大半は第2グループのウイルスであるH3N2株で刷り込まれた。H7N9はH3N2と同じ第2グループに属しているため、1968年以降に生まれた人々の多くはH7N9で発症せずに済んだのである。

これらの知見は、2つのHAグループの一方に由来するウイルスで刷り込みを受けると、同じグループの新しい亜型に対して幅広い交差防御能が得られる可能性を示唆していた。つまり、新型インフルエンザが出現したときに通常発生する世界的大流行では大半の人々が防御能をほとんど、もしくは全く持たないとする、多くの公衆衛生専門家の考え方に疑問が投げかけられたのだ。

「重症型のH5N1とH7N9の感染に対する刷り込みの防御効果の高さは衝撃的でした」と、Gosticと同じUCLAの疾病生態学者でこの論文の共著者でもあるJames Lloyd-Smithは話す。Gostic とLloyd-Smithらは統計データを用いて構築した一連のモデル間の比較から、この2種類のウイルスによる重症インフルエンザが幼少期の刷り込みによって75%予防され、死亡が80%防がれたことを示した。

年齢層ごとの罹患しやすさの差異は、他の世界的大流行でも見られる。1918年の大流行はH1N1の亜型の1つによるものだったが、最も重症になったのは、H3N8に対して幅広い防御能を持つ若年成人だった。H3N8は、それ以前(1889~1918年)に世界中で流行していた亜型で、彼らの幼少期に重なる。H3N8はH1N1とは異なるグループに属している(「支配的なインフルエンザ株」を参照)。2009年の世界的大流行もまたH1N1の変異型によるものだが、高齢者の発症例がかなり少なかったのは、彼らが2009年以前の型のH1N1(1918年に大流行して以来流行していた型)で刷り込みを受けていたからだろうと、シカゴ大学(米国イリノイ州)の免疫学者Patrick Wilsonは話す。H1N1亜型は1970年代にも現れた(ソ連風邪と呼ばれた)。この株は過去に流行したウイルス株にあまりにも似ていたため、実験室もしくはワクチンの臨床試験から偶発的に流出してしまったものだと考えられているほどだ7。「出生年を見て、その人が最初にどんな免疫の刷り込みを受けたかを推理するのはちょっと楽しいですね」とHensleyは話す。

現時点の優先事項は、最初に出合ったウイルス株についてヒトの体がどのようにして免疫に刷り込みを行うかを解明することだ。「その免疫学的な基盤が何であるかを探り出す必要があります」とHensley。

この10年の間に、刷り込みを分子レベルで調べるための一連の技術が生み出されてきた。インフルエンザの感染に応答して産生された全抗体の値を調べることは簡単だが、例えば、刷り込みの経緯を探るには、幅広い免疫を生み出す抗体サブセット群を詳しく調べられるようになる必要がある。

現在では例えば、数十万個の単一細胞をソートして解析することができ、また、単一細胞塩基配列解読技術を使って、細胞が最初のインフルエンザ感染に応答する前後で免疫系の主な担い手の特性を解析することもできる(2017年10月号「細胞に魅せられた科学者」参照)。免疫細胞はいったいどうやって、将来のインフルエンザ感染に備えてこれほど長期にわたる応答を保持しているのか。研究者が知りたいのはそこなのだ。

「現在ではツールの性能が向上し、インフルエンザとの最初の遭遇や、その後何度かある遭遇、インフルエンザワクチンの接種といったそれぞれの段階で、何が起こっているかをきめ細かく調べることができます」と、バンダービルト大学医療センター(米国テネシー州ナッシュビル)のバンダービルト・ワクチン研究プログラムのディレクターであるBuddy Creechは言う。彼は、複数大学連携プロジェクト「万能インフルエンザワクチン・イニシアチブ(UIVI)」の共同責任者でもある。このプロジェクトは、インフルエンザに対する免疫応答や、どの程度幅広い免疫応答が惹起される可能性があるかを調べるために2017年10月に発足した。インフルエンザウイルスに対する免疫応答の仕組みがさらに解明され、それを再現できるようになれば、対象ウイルスの幅が広いワクチンを作るのを助けられるのではないかとNayakは話す。

人々の力

免疫の刷り込みを分子レベルで調べるためのツールを利用したいと考える研究者のために、米国立衛生研究所(NIH;メリーランド州ベセスダ)やビル&メリンダ・ゲイツ財団などの資金提供組織が手を差し伸べている。

ゲイツ財団は2018年4月に、資金の一部として1200万ドル(約13億2000万円)を提供することを発表した。同財団はこの資金提供で、万能インフルエンザワクチンの開発を目的とした予備プロジェクトを前進させる予定である。この呼び掛けでは刷り込みの他、宿主免疫応答の他の特性にも言及しており、よりハイリスクな冒険的取り組みを優先させる構えだ。

免疫刷込みを理解するために、乳幼児期の自然感染やインフルエンザワクチン接種の各段階を追跡する研究も始まるという。 Credit: Sean Gallup/Getty Images

それと同じ月にNIAIDは、多数の乳幼児を対象として、少なくとも3回のインフルエンザ流行期とその後数年にわたって追跡するための研究企画への応募を求める呼び掛けを行った。この研究には500万ドル(約5億5000万円)の資金が提供される。研究の最終目標は、NIAIDによると、効果が長続きする万能ワクチンの設計に役立つような情報を得ることだという。

現在までのところ、乳幼児期のインフルエンザ遭遇に関する研究は限られているため、NIAIDのこの呼び掛けは歓迎すべきニュースだとNayakは話す。彼女によれば、乳幼児期のインフルエンザに関するこれまでの研究は大半が小規模なものであり、個人ごとのウイルス遭遇履歴は十分に解析されていなかったという。「そのため、免疫の刷り込みが起こっているかどうかを把握することさえ不可能であり、刷り込みに関わる機構を特定することも十分にできません」。

この問題の一因は、乳幼児の免疫系を追跡する方法にある。これには何度も採血する必要があるからだ。5年前の時点でも、解析には10〜20mlの採血が必要だった。そのため、乳幼児の免疫状態のモニタリングは実質的に不可能だった(体重3kgの新生児の血液量はわずか240mlである)。しかし、技術の進歩でこの障害が克服された。「単一細胞アッセイを使えば、わずか1〜2mlの血液で高度な免疫学的検査を行うことができます」とHensley。彼はすでに、米国と香港のコホートを使った研究の実施を申請済みだ。

こうした手法によって、1人の乳児のウイルス遭遇やワクチン接種を時系列で一覧化したり、自然感染とワクチン接種で免疫がどう異なってくるのかを細部まで調べたりすることができるだろう。

NIAIDの呼び掛けは、世界各地の他のインフルエンザ・コホート研究を補完することを目的としている。同研究所はすでに、ニカラグアや香港、ニュージーランドのコホートを利用したインフルエンザ研究を支援しているが、乳幼児期の免疫の刷り込みに重点を置いた研究は皆無である。Gordonが研究しているニカラグアのコホートは、乳幼児のインフルエンザの発生率と重症度を調べている。彼女のコホートは、乳幼児を出生時から登録して追跡するために設定された唯一の大規模コホートであり、刷り込みを調べるのにもってこいである。彼女は、この研究に免疫学の専門家らを引き入れるためにコンソーシアムを組織し、その一員としてNIAIDの助成金に応募していた。

Nayakは現在すでに、免疫の刷り込みを調べるための小規模な予備研究を進めている。この研究では、2016年後期の開始から現在までに129人の乳幼児が登録されている。彼女もNIAIDに研究支援を申請済みであり、ロチェスター大学やミネソタ大学(米国ミネアポリス)の研究者たちと共に、米国とオーストラリアにある別々のコホートで研究を進めている。複数の場所にコホートがあることで、動きがなく平穏なインフルエンザ流行期であった場合や、1つのウイルス型だけに支配される流行期が続くといったリスクに対して備えることができる。

捉えどころのない「万能インフルエンザワクチン」を実体化したい研究者にとって、これらのコホート研究は多面的な戦略の一端となる。それに加えて、ウイルスの基礎生物学も研究して、ワクチンのための新鮮な素材を見つけ出す必要があるだろうとCreechは話す。「実際のところ、この問題には基礎研究とコホート研究の両面から取り組む必要があります」。

翻訳:船田晶子

Nature ダイジェスト Vol. 15 No. 11

DOI: 10.1038/ndigest.2018.181121

原文

The ghost of influenza past and the hunt for a universal vaccine
  • Nature (2018-08-08) | DOI: 10.1038/d41586-018-05889-1
  • Declan Butler
  • Declan Butlerは、Nature のシニアレポーター

参考文献

  1. Gagnon, A., Acosta, J. E., Madrenas, J. & Miller, M. S. PLoS Pathog. 11, e1004615 (2015).
  2. Francis, T. Jr. Proc. Am. Philos. Soc. 104, 572–578 (1960).
  3. Lessler, J. et al. PLoS Pathog. 8, e1002802 (2012).
  4. Wrammert, J. et al. J. Exp. Med. 208, 181–193 (2011).
  5. Guthmiller, J. J. & Wilson, P. C. Curr. Opin. Immunol. 53, 187–195 (2018).
  6. Gostic, K. M., Ambrose, M., Worobey, M. & Lloyd-Smith, J. O. Science 354, 722–726 (2016).
  7. Rozo, M. & Gronvall, G. K. mBio 6, e01013-15 (2015).