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サメの祖先に手掛かり

Nature ダイジェスト Vol. 14 No. 7 | doi : 10.1038/ndigest.2017.170708b

4億年前の古代魚の化石にサメと硬骨魚の両方の特徴が見つかった

サメの進化について科学的なことはほとんど分かっていない。「軟骨が奇妙な組織である」のが一因だと、ニューヨークにあるアメリカ自然史博物館(ニューヨーク)「の古生物学者John Maiseyは言う。サメの骨格はほとんどがこの白い結合組織でできているが、軟骨はうまく化石化しないのだ。サメの祖先にはおそらく硬骨魚がいるだろうと数百年前から推測はされてきたが、確かめるすべがなかった。

だが最近、Maiseyらがドリオドゥス・プロブレマティクス(Doliodus problematicus)という古代魚の唯一の化石をCTスキャナーで調べ、サメの起源に関する重要な手掛かりと思われるものを発見した。

「サメの骨格化石はごくまれだ」とMaiseyは言う。この4億年前のドリオドゥスの骨格は1990年代半ばにカナダ東部のニューブランズウィック州で発見されたが、Maiseyがこの標本にサメのような顎と歯を発見するにはCT技術の進歩を2014年まで待たなければならなかった。彼らは今年初め、ドリオドゥスが脊椎と腹びれも備えていて、よく研究されている棘魚類というずっと古い絶滅硬骨魚と特徴が一致することをAmerican Museum Novitatesに報告した。つまり、ドリオドゥスは古代の硬骨魚と現代のサメの特徴を併せ持っている。

「これは重要な発見だ」とシカゴ大学(米国イリノイ州)の進化生物学者Michael Coatesは言う。棘魚類が「初期のサメの進化における空白部分を埋めるものである」との説を、この発見は裏付ける。Maiseyの発見のおかげで、全く新たな観点から棘魚類を見直す研究が始まるだろう。

(翻訳:粟木瑞穂)

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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