マクロファージの概念を変える発見
佐藤 荘
Nature ダイジェスト Vol. 14 No. 6 | doi : 10.1038/ndigest.2017.170619
免疫反応におけるゴミ処理係として知られるマクロファージが、近年、大いに注目を集めている。マクロファージは1種類の細胞ではなく、さまざまな機能を持って分化し、いろいろな疾患に特異的に働く多様なマクロファージが複数種存在するというのだ。一連の研究を牽引するのは、大阪大学審良静男研究室の佐藤荘助教である。
–– マクロファージとは、そもそもどのような細胞ですか?
佐藤: 生体のゴミなどを食べる細胞として、100年以上前に見つかりました。免疫系が病原体をやっつけた後のゴミ処理係です。獲得免疫系を活性化する役割の樹状細胞や、獲得免疫の司令塔であるT細胞と比較すると、マクロファージは、免疫系に関与する細胞の中でも研究者の興味を引くとこaろのあまりない「つまらない細胞」というイメージを持たれていました。