Research Highlights

超小型の埋め込み型薬物送達デバイス

Credit: SAU YIN CHIN

可動部のある超小型デバイスは、体内に埋め込まれた後に薬物を放出し、電線を用いずに制御することができる。

コロンビア大学(米国ニューヨーク)のSau Yin ChinとSamuel Siaらは、生体適合性ヒドロゲルを使って、直径わずか1cm強の超小型デバイスを製作した(写真)。弁、ポンプ、回転する歯車など、さまざまな可動部を持つ多様なバージョンのデバイスが、1層ずつ設計された。

あるバージョンには、断続的な運動を正確に制御するため、機械式腕時計などに使われるジェネバ機構が組み込まれた。研究チームは、このデバイスにがん治療薬を入れて腫瘍のあるマウスの皮下に埋め込み、2日ごとに磁石を使って外部からデバイスを作動させて少量の薬物を局所的に放出させた。この投与法では、全身への高用量投与よりも腫瘍の成長をよく抑制することができた。

翻訳:三枝小夜子

Nature ダイジェスト Vol. 14 No. 4

DOI: 10.1038/ndigest.2017.170430

原文

Mini machines deliver drugs
  • Nature (2017-01-12) | DOI: 10.1038/541137c

参考文献

  1. Sci, Robot. 2, eaah6451 (2017)