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テロメラーゼに依存しないテロメア伸長の機構

Nature ダイジェスト Vol. 14 No. 2 | doi : 10.1038/ndigest.2017.170231

原文:Nature (2016-11-03) | doi: 10.1038/nature19483 | Telomere-lengthening mechanism revealed

Caitlin M. Roake & Steven E. Artandi

細胞の寿命は、染色体末端(テロメア)の反復配列の短縮によって制限されているが、一部のがん細胞は、テロメラーゼ非依存性テロメア伸長(ALT)と呼ばれる機構によってテロメア長を維持し、この運命を回避している。今回このALTの機構が分子レベルで詳細に解明された。

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MAURIZIO DE ANGELIS/SCIENCE PHOTO LIBRARY/Science Photo Library/Getty

細胞分裂の際、ゲノムはDNAポリメラーゼという酵素によって複製される。DNAポリメラーゼは、合成領域の5′側に足場となるRNAプライマーが必要であり、それを起点に3′側に向かって合成を開始するため、染色体末端(テロメア)でプライマーが結合していた3′末端の配列は複製されない。つまり、テロメアのDNA反復配列は分裂のたびに短くなり、この短縮が多くの細胞の複製寿命を制限している。しかし、がんの発生過程で、細胞は無限に分裂する能力を獲得する。テロメアを伸長させる酵素「テロメラーゼ」、もしくは、相同組換えに基づいたテロメラーゼ非依存性テロメア伸長(alternative of lengthening telomere;ALT)という機構の活性化により、テロメア長を維持することができるようになるのである。今回、ペンシルベニア大学ペレルマン医学系大学院(米国)のRobert L. Dilleyらは、ALTの基盤となる分子機構と、ALTを担うDNAポリメラーゼを明らかにし、Nature 2016年11月3日号54ページに報告した1

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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