トポロジカル物質の未来
ごくありふれた物質の中に、奇妙なトポロジー効果が隠れているかもしれない。こうした効果を見つけることで、新粒子の発見や超高速トランジスターの実現、ひいては量子コンピューティングの開発に弾みをつける可能性がある。
拡大するNIK SPENCER/NATURE
Nature ダイジェスト Vol. 14 No. 10 | doi : 10.1038/ndigest.2017.171015
原文:Nature (2017-07-20) | doi: 10.1038/547272a | The strange topology that is reshaping physics
ペンシルベニア大学(米国フィラデルフィア)の理論物理学者Charles Kaneは、自分がトポロジスト(位相幾何学者)と付き合うことになるとは思いもしなかった。固体材料に関する具体的な問題を研究することが多い彼は、「私は数学者のような考え方はしません」と言う。Kaneのような物理学者は少なくない。一般に、物理学者はトポロジー(図形とその空間内での配置に関する数学的な研究)にはほとんど関心がなかったが、近年、多くの物理学者が、Kaneのようにこの分野に集まってきている。