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化学の多様性でマラリアに挑む

Nature ダイジェスト Vol. 14 No. 1 | doi : 10.1038/ndigest.2017.170132

原文:Nature (2016-10-20) | doi: 10.1038/nature19481 | Drug discovery: Chemical diversity targets malaria

David A. Fidock

天然物に似た構造を持つ多様な化合物の大規模ライブラリーが構築され、そのスクリーニングによって、マラリア原虫の生活環の複数段階を標的とする新規の薬剤候補分子が見つかった。この分子は、単回の投与でマラリアを治療でき、耐性も生じにくいらしい。

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jarun011/iStock/Getty Images Plus/Getty

マラリアを撲滅できれば、主にサハラ以南のアフリカに暮らす幼児など年間40万人以上の命が救われ、約2億件もの感染が回避されるだろう1。だがその実現には、寄生虫であるマラリア原虫(Plasmodium)のヒトへの感染における3つの段階全てを阻害できる薬が必要になる。今回、ブロード研究所(米国マサチューセッツ州ケンブリッジ)の加藤信高(かとう・のぶたか)らは、「多様性指向型合成」を用いた特異な化合物ライブラリーの構築によって抗マラリア薬の新たな標的を発見し、この標的を阻害する二環式アゼチジン類と呼ばれる化合物群がマラリアの全ての感染段階で活性を示すことを明らかにした2。多様性指向合成の創薬における有用性を実証したこの成果は、Nature 2016年10月20日号344ページで報告された。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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