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iPS細胞の10年

人工多能性幹(iPS)細胞は、医療革命の訪れを告げる使者だと考えられた。しかしその発見から10年経った現在、iPS細胞はむしろ生物学の研究を大きく変えるツールとなりつつある。

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ILLUSTRATION BY ANDY POTTS; PHOTO: CHRIS GOODFELLOW/GLADSTONE INST.

Nature ダイジェスト Vol. 13 No. 9 | doi : 10.1038/ndigest.2016.160927

原文:Nature (2016-06-16) | doi: 10.1038/534310a | How iPS cells changed the world

Megan Scudellari

「コロニーができています」。ポスドクの高橋和利がそう告げると、山中伸弥は驚いて顔を上げた。「コロニーができているんです」と高橋は繰り返した。京都大学の研究室で机に向かっていた山中は急いで立ち上がり、高橋の後について組織培養室に向かった。顕微鏡を覗くと、小さな細胞塊が見えた。5年越しの研究が結実し、山中自身も確信しきれていなかった成果への可能性が見えてきた瞬間だった。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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