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腫瘍を抗ウイルス応答で撃退するがんワクチン

Nature ダイジェスト Vol. 13 No. 9 | doi : 10.1038/ndigest.2016.160932

原文:Nature (2016-06-16) | doi: 10.1038/nature18443 | Cancer vaccine triggers antiviral-type defences

Jolanda De Vries & Carl Figdor

樹状細胞に腫瘍抗原を含むナノ粒子を送達し、抗ウイルス応答に似た抗腫瘍免疫応答を誘導する免疫療法が開発された。初期の臨床試験では有望な結果が得られている。

免疫療法の中で最も効果的な手法は、現時点ではおそらく予防ワクチンだ。しかし、ヨハネス・グーテンベルグ大学医療センター(ドイツ・マインツ)のLena M. Kranzらは今回、既存の腫瘍に対して効果を発揮するがんワクチン戦略を開発し、Nature 2016年6月16日号396ページに報告した1。この手法では、ウイルスが血流に侵入した状態を模倣するように加工した、腫瘍RNAを含むナノ粒子を用いる。このナノ粒子は、リンパ組織に到達すると、樹状細胞などの免疫細胞において抗ウイルス型の防御機構を活性化できる。樹状細胞はナノ粒子から得られたRNAを翻訳して腫瘍抗原を発現し、攻撃対象の目印としてT細胞に提示する。そして、プライミングされたT細胞は、抗腫瘍免疫応答を開始する。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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