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がんの進化を利用した治療戦略

他のあらゆる生物と同じく、腫瘍にも自然選択が働いている。がんの治療法の開発にこの進化の原理を利用しようという動きが現在高まっている。

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MARGARET OECHSLI

Nature ダイジェスト Vol. 13 No. 7 | doi : 10.1038/ndigest.2016.160725

原文:Nature (2016-04-14) | doi: 10.1038/532166a | An evolving threat

Cassandra Willyard

トリノ大学(イタリア)のがん生物学者Alberto Bardelliは6年ほど前に、標的療法を研究していて行き詰まってしまった。標的療法では、腫瘍の増殖を促進する変異に対応するようあつらえた分子標的薬を投与する。この戦略は有望視され、実際に一部の患者では目覚ましい効果が現れた。ところが、やがて必ずと言っていいほど、患者の腫瘍はその薬剤に抵抗性を持つようになり、Bardelliは患者に腫瘍が再発するのを幾度となく見ることになった。「壁にぶつかりました」と彼は振り返る。その後、問題は特定の変異にあるのではないのだとBardelliは気付いた。「不運なことに、我々の前に立ちはだかっているのは地球上で最も強い力の1つなのです」と彼は話す。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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