News & Views

自己免疫疾患のための免疫療法

Nature ダイジェスト Vol. 13 No. 5 | doi : 10.1038/ndigest.2016.160529

原文:Nature (2016-02-25) | doi: 10.1038/nature17300 | Antigen-specific immunotherapy

David Warith

MHCクラスII分子と自己免疫疾患に関連する任意のタンパク質断片の複合体で覆ったナノ粒子の投与により、免疫調節機構を患部器官の自己免疫応答を抑制する方向に転換できることが分かった。

自己免疫疾患は、免疫系が自己の組織を攻撃する疾患だ。患者の免疫細胞は、「自己」の何らかのタンパク質に対する寛容が不十分であるために、そのような自己タンパク質を外来タンパク質同様に攻撃する。自己免疫疾患に対する治療は現在、免疫系全体を抑制するか、T細胞の移動や機能を抑制するかであるが、このような手法は必然的に感染やがんのリスクを高めることになる。自己免疫疾患において中心的な役割を担っているのはヘルパーT(TH)細胞だ。この細胞は、免疫系のB細胞、細胞傷害性T細胞、マクロファージなどの他の細胞の機能を調節する司令塔であり、TH細胞の機能を「疾患の誘導」から「疾患の制御」へと方向転換できれば、その他の免疫系には影響を及ぼさない理想的な自己免疫疾患の治療となり得る。カルガリー大学(カナダ・アルバータ州)のXavier Clemente-Casaresらは、自己抗原–MHC(主要組織適合遺伝子複合体)の複合体で覆ったナノ粒子を使って、自己反応性の可能性があるTH細胞の機能を「制御」の方向に変えられることを示し、Nature 2016年2月25日号434ページに報告した。

全文を読むには購読する必要があります。既に購読されている方は下記よりログインしてください。

Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

プライバシーマーク制度