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半合成マラリア治療薬が市場で大苦戦

Nature ダイジェスト Vol. 13 No. 5 | doi : 10.1038/ndigest.2016.160513

原文:Nature (2016-02-25) | doi: 10.1038/530390a | Synthetic biology’s first malaria drug meets market resistance

Mark Peplow

市場への影響がほとんどなかったのは、アルテミシニンの供給過剰が原因だ。だが、需要の急増はいつ起こるか分からず、マラリア治療薬の安定供給には半合成アルテミシニンが欠かせない。

主要なマラリア治療法であるアルテミシニン誘導体多剤併用療法(ACT)用の錠剤。 | 拡大する

FREDERIC J. BROWN/GETTY

2014年、フランス・パリを本拠とする大手製薬会社サノフィ社(Sanofi)が遺伝子組換え酵母を利用して製造したマラリア治療薬の販売を開始したとき、この市場参入は合成生物学の勝利ともてはやされた。このマラリア治療薬は、酵母発酵で生成したアルテミシニン前駆体(アルテミシニン酸)をアルテミシニンに変換したもので、「半合成」アルテミシニン(SSA;semi-synthetic artemisinin)と呼ばれている。アルテミシニンから作られる誘導体は、現在最も効果的とされるACT(アルテミシニン誘導体多剤併用療法)と呼ばれる主要なマラリア治療に用いられる薬剤だ。マラリアは毎年世界中で50万人の命を奪う病気であり、サノフィ社の製薬プロセスによって、抗マラリア薬が安く豊富に供給されるようになることを多くの人々が願っていた。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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