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オフターゲット効果が最小のCas9酵素

Nature ダイジェスト Vol. 13 No. 4 | doi : 10.1038/ndigest.2016.160434

原文:Nature (2016-01-28) | doi: 10.1038/529468a | The domestication of Cas9

Fyodor Urnov

特定のDNA配列を切断するゲノム編集技術CRISPRで利用されている酵素Cas9は、標的外(オフターゲット)の部位も切断することが知られている。このほど、タンパク質工学を利用して、オフターゲット効果が最小のCas9が作製された。

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EQUINOX GRAPHICS/Science Photo Library/Getty

人類は、特定の形質を持つオオカミを選抜育種により遺伝的に改変し、オオカミの一部の遺伝子を保存しながらそれ以外を排除した動物、すなわちイヌを作り出したと考えられている。今回、2組の研究チームが、Cas9という天然の核酸分解酵素(ヌクレアーゼ)を遺伝子工学を利用して手なずけたことを、Nature 2016年1月28日号490ページ1およびScience2にそれぞれ発表した。両研究チームは、Cas9の有する「RNAの手引きによってDNAを切断する能力」を保存したまま、この酵素本来の望ましくない性質を強力に抑制することに成功したのである。天然の分子を手なずけたこの素晴らしい研究成果は、ゲノム編集を活用したい人たちにとって大ニュースだ。ゲノム編集は、細胞や生物のDNA配列を科学者が指定するとおり効率よく正確に改変する技術としてさまざまな分野への応用が期待されており、そうした精密な編集には選択性の高いヌクレアーゼが必要なのだ3

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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