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炎症は老化マウスの健康維持に役立つ

Nature ダイジェスト Vol. 13 No. 3 | doi : 10.1038/ndigest.2016.160329

原文:Nature (2015-12-03) | doi: 10.1038/nature15648 | Inflammation keeps old mice healthy

Ivan Maillard & Alan R. Saltiel

制御性T細胞と呼ばれる免疫細胞は、老化に伴って脂肪に蓄積していく。このような細胞が持つ抗炎症活性により、老化関連型の代謝障害が悪化することが明らかになった。一方、肥満関連型の代謝障害には影響を及ぼさないという。

体内の脂肪は、血管の発達による変化、結合組織の変化、脂肪細胞の数や大きさの変化などによる大きなリモデリングが頻繁に起こっても耐えることが可能な組織である。また必要性に応じてエネルギーを蓄積したり、放出したりできるという特徴を持つ。しかし、このような適応過程はストレスが大きい状態では有害になり得る。肥満の齧歯類やヒトに見られる「適応不全に陥った脂肪リモデリング」は、脂肪細胞の大型化や脂肪組織の慢性炎症に関係しており、インスリン抵抗性や2型糖尿病、心血管合併症につながる1。このような代謝調節異常を引き起こす構成要素を解き明かす研究から、複数種の細胞間の相互作用が関与する協調的な炎症回路の1つが明らかになっている1。このほどソーク生物学研究所(米国カリフォルニア州ラホヤ)のSagar P. Bapatらは、老化関連型の代謝変化は肥満関連型の代謝変化とは異なる機構で調節されていること示唆する証拠を見いだし、Nature 2015年12月3日号137ページに報告した2。この成果は予想に反するもので、代謝調節に新しい展開をもたらしたといえる。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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