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がん細胞は死してなおカリウムで免疫系を抑制する

Nature ダイジェスト Vol. 13 No. 12 | doi : 10.1038/ndigest.2016.161233

原文:Nature (2016-09-22) | doi: 10.1038/nature19467 | Channelling potassium to fight cancer

K. George Chandy & Raymond S. Norton

細胞死を起こした腫瘍細胞はカリウムを放出し、それがT細胞の活性を抑制することが分かった。T細胞からのカリウム排出を増強すると、がんを攻撃する能力が回復する。

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STEVE GSCHMEISSNER/SCIENCE PHOTO LIBRARY/Science Photo Library/Getty

T細胞として知られる免疫細胞は、体内の異物と戦う強力な武器であり、また腫瘍の発生や増殖を制御している。T細胞の研究はこの10年間に目覚ましい進歩を遂げ、T細胞の持つ強力な抗腫瘍活性を利用してさまざまながんと闘う治療法が開発されている。例えば、腫瘍抗原と呼ばれる分子を認識させることで腫瘍を攻撃するようになったT細胞を患者へ移入する治療法や、T細胞の抗腫瘍応答の開始を妨げる抑制性受容体タンパク質(例えば、CTLA-4やPD-1)を阻害する薬剤である1,2。しかし、腫瘍微小環境の免疫抑制効果にT細胞が打ち勝つことで、完全な抗腫瘍免疫応答を発揮させることはいまだに難しい。このたび米国立衛生研究所(メリーランド州ベセスダ)のRobert Eilらは、腫瘍内でT細胞機能を抑制する重要な「イオン性チェックポイント」を明らかにし、Nature 2016年9月22日号539ページに報告した3

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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