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ポリマーの可能性は無限大!

生分解するバイオベースポリマーのペレット。 Credit: XXLPhoto/iStock/Getty Images Plus/Getty

ドイツの化学者ヘルマン・シュタウディンガー(Hermann Staudinger)は平和主義者だったが、この戦いだけは勝つと心に決めていた。1920年、チューリヒ工科大学(スイス)の教授だった彼は、ゴムやセルロースなどの天然化合物が、多数の小分子(モノマー)が化学結合で鎖状につながった高分子(ポリマー)であると提唱し、こうした長い鎖を形成する反応を「重合」と呼んだ1。ところが当時の化学界では、これほど大きな分子は存在し得ず、「ポリマー」とされた化合物は単に小さな分子が会合して分子間力により凝集したものだと考えられていたため、シュタウディンガーの主張は全くのでたらめだとして強い反発を受けたのである。しかし、シュタウディンガーも後には引かず、この争いは10年に及んだ。

この間、シュタウディンガーは自らの主張を裏付けるべく研究を続け、数々の実験データを提出した。1930年に入る頃には、彼の概念が他の化学者たちに徐々に受け入れられるようになり、最終的には正しいことが証明された。シュタウディンガーは1953年、この業績によりノーベル化学賞を受賞し、今では「高分子化学の父」と称されている。

それから半世紀、シュタウディンガーが提唱した分子の鎖は、今では衣類や塗料、包装材から、薬物送達や3D印刷、自己修復材料まで、現代生活のほぼあらゆる面に入り込んでいる。合成ポリマーの2015年の世界生産量は約3億トンに上り、ボーイング社の最新旅客機787型機「ドリームライナー」も、重量の半分はポリマー系の複合材料でできているのだ。

誕生以来、目覚ましい発展を遂げてきた高分子化学だが、これからは一体どこへ向かうのだろうか。2016年8月17~18日、米国の国立科学財団(NSF)が主催する10年に1度のワークショップがバージニア州アーリントンで開催された。「ポリマー科学技術のフロンティア(Frontiers in Polymer Science and Engineering)」と題された今回のワークショップでは、過去10年間の成果を振り返るとともに、今後の最重要課題や可能性、新興領域を見極めるべく幅広い意見交換と調査が行われた。概要と調査結果については後々公開される予定で、そこから、この疑問に対する答えが得られそうだ。

「全般的な傾向としては、これまでポリマーが使われてこなかった分野への進出があります」と語るのは、ミネソタ大学(米国ミネアポリス)の高分子化学者でMacromolecules誌の編集者でもあるTim Lodgeだ。応用分野の拡大はこれまで、ポリマー科学のあらゆる側面が進歩することで促進されてきた、と彼は説明する。新しい分子合成法や分子解析法の開発、理論モデルの改良、自然界に見られる高分子の模倣といった研究の進展はもとより、ポリマー科学に対する姿勢の変化も影響したという。ポリマー科学はかつて、あまりに泥臭くて日常的・商業的過ぎ、学術界で扱うには値しない、と大学では敬遠されていた。しかし「今では、ほとんどの化学系の学科でポリマーが扱われています」とLodgeは言う。そして、最先端の高分子研究はますます学際的になってきている。

それは当然といえよう。高分子化学の研究者たちは、ポリマー鎖の化学構造を作り上げる技術を次々と手にしているが、そうした技術で得られる化合物が、例えば膜や薬物送達に必要な特性を備えたものになるかどうかは、予測できないことが多い。そうした課題に対処するためには、ナノメートルからメートルまでのあらゆるスケールにおいて、ポリマーの化学構造がどのように物理的特性を決定するのか、より深く理解する必要があるのだ。

環境に優しいポリマー

ポリマーは至る所に存在する。だが、問題もそこにある。「日常生活で使用するポリマーのほとんどが、石油系製品に由来しています。それらは、使う時は耐久性があって便利ですが、廃棄された後も耐久性を発揮してしまうのです」とミネソタ大学・持続可能なポリマーセンター(Center for Sustainable Polymers;CSP)のディレクターMarc Hillmyerは語る。プラスチック包装材の約86%が一度使用されただけで捨てられ2、廃棄物となって河川や埋め立て地に残り続け、汚染物質を放出し、野生生物に害を与えているのだ。

こうした状況を受け、再生可能資源でできたポリマーや、害を及ぼさずに容易に生分解するポリマーへの関心が、この10年で爆発的に高まった。そうした研究の成果として、天然でんぷんから作られたポリマーが、すでに市場に出回っている。また、生物由来のラクチドや乳酸を重合させて作るポリマー、合成ポリ乳酸(PLA)は、ティーバッグから医療用インプラントまで幅広い製品に使用されている。

しかし、そうした持続可能なポリマー(サステイナブルポリマー)の割合は、まだプラスチック市場全体の10%にも満たない、とHillmyerは指摘する。サステイナブルポリマーの普及を阻む壁の1つは、コストが掛かり過ぎることである。もう1つは、天然ポリマーを構成するモノマーが、石油系プラスチックの原料となる炭化水素よりも多くの酸素原子を含む傾向にあることだ。こうした特徴は、最終生成物であるポリマーに硬化などの影響をもたらす。つまり現状では、ポリエチレンやポリプロピレンといった安価で柔軟なプラスチックを、サステイナブルポリマーで直接的に置き換えることは難しい。天然物由来のポリマーが従来型の石油系ポリマーと互角に戦えるようになるには、巧妙な化学が必要だ。

別のアプローチとして、PLAなどのサステイナブルポリマーを、従来型のポリマーとブレンドすることによって改良する方法がある。この方法には、プラスチックの透明性が損なわれることがある、というマイナス面があるが、ミネソタ大学CSPの研究者たちは、疎水性部分と親水性部分を併せ持つ安価な石油系ポリマーをたった5重量%加えることで、この問題を回避した3。この石油系添加剤は、集まって球状構造体を作ることで、透明性を損なわずにPLAの靭性を大幅に向上させることができる。

Hillmyerのチームはまた、部分的にリサイクル可能なポリウレタンフォームも作製している4。ポリウレタンフォームは、断熱材やシートクッション、ガスケット(固定用シール材)など多くの製品に使われている。Hillmyerらが開発したポリウレタンフォームには、遺伝子組換え細菌が産生するモノマーから作製したポリ(β-メチル-δ-バレロラクトン) (PMVL)と呼ばれる安価なポリマーが含まれており、このフォームを200℃以上に加熱すると、ポリウレタンが分解されて、モノマーが抽出・再利用できるという。

こうしたサステイナブルポリマーが商品化されるかどうかは、まだ分からない。「多くの場合、最大の課題は大量生産で、経済的な有利性が求められます」とHillmyerは語る。彼は、この分野においては、モノマーの化学的構造が重合反応の速度や温度、収率にどのように影響するのか、また、生成したポリマーが他の材料とどのように相互作用するのか予測できる、一般的な設計基準を確立する必要があると考えている。実際、彼のチームはPMVLの成分に関するそうした指針を開発し5、2016年初めに、それを活用するための会社Valerian MaterialsをCSP内に立ち上げた。

一方、生物由来のモノマーを重合するのではなく、天然のポリマーを直接利用する方法に取り組んでいる研究者たちもいる。例えば、グルコース分子が鎖状につながったセルロースは、並んで「フィブリル」と呼ばれる繊維を形成し、植物の堅い細胞壁を構成している。植物の多くの部位において、セルロースの鎖は、幅が最大で20nm、長さが数百nmにも及ぶ結晶性の塊を形成しており、これらの塊はセルロースパルプから化学的に抽出することができる。結晶性のセルロースは、複合材料の強化や断熱フォームの形成、薬物送達、組織修復用の足場などの用途に使える可能性があるという6

セルロースのナノ結晶や、より長い「ナノフィブリル」は、すでに商業規模で製造が始まっているが、その応用は、まだ紙の強化剤や液体の増粘剤にとどまっている。フリブール大学アドルフ・メルクレ研究所(Adolphe Merkle Institute;スイス)のディレクターChristoph Wederは、こう話す。「コストを削減し、サステイナブルポリマーが持ち得る独特な長所を証明するには、さらなる研究が必要になるでしょう。バイオベースポリマーにはまだ、ロードマップと呼べるものがないのです」。

分離膜としてのポリマー

ポリマーには、混乱した世界に秩序を取り戻す、という能力もある。事実、ポリマー膜はすでに、ガス分離や海水の淡水化、燃料電池内での分子の隔離などの目的で、分子ふるいとしてその能力を発揮している。しかしLodgeによると、ポリマー膜の役割は、将来的には今よりはるかに大きくなる可能性があるという。「もっと優れた膜があれば、多くの問題が解決できます」。

膜を使った混合物の分離は、蒸留(混合物液体を加熱して蒸発させた後に凝縮させることで、沸点の異なる成分を分離する操作)に比べ、必要なエネルギーがはるかに少なくて済むだけでなく、スクラバー(化学反応によって汚染物質を捕捉する装置)を使うより必要な空間が小さくて済む。また、ポリマー膜は安価に大量生産できる上、広い面積にも利用可能で、構造欠陥の発生がほとんどないため、膜で捕捉すべき分子を誤って通してしまう恐れもない。

ポリマーを用いたガス分離膜は、天然ガスから水素と二酸化炭素を分離する用途で、すでに工業利用されている。だが、膜をさらに改良すれば、プロパンとプロペンといったよく似た炭化水素を区別するなど、より困難な課題をも克服できる可能性がある。丈夫で化学的に耐久性の高い膜が実現すれば、高温の燃料排ガスから二酸化炭素を除去できるようになるかもしれない。

テキサス大学オースティン校(米国)の膜化学者Benny Freemanは、水圧破砕(フラッキング)時の廃水処理を改善したいと考えている。水圧破砕法とは、高圧の水を注入して地下の岩体を割り、天然ガスを放出させる方法だ。使用後の水は汚れが酷く、標準的なろ過膜ではすぐに詰まってしまう。そのため、水を通す際には高い圧力が必要になり、また、薬剤を使ったろ過膜の洗浄も必要になることから、ろ過膜の寿命が短くなるという問題があった。そんな中、Freemanは、ろ過膜を「ポリドーパミン(PDA)」という極めて薄い物質でコーティングすることで、この問題を回避できることを見いだした。PDAは、イガイ科の貝が岩に付着するときに使う耐水性の接着物質を模倣したポリマーである。試験的に、このPDAコーティングを米国テキサス州フォートワース付近の水圧破砕の廃水処理施設で使用したところ、膜に水を通す際に圧力を半減できることが分かり、処理システムの小型化・高効率化につながることが実証された7。Freemanらのチームはすでに、この技術を用いてビルジ水(船底にたまる油分を含む汚水)の浄化装置を製造し、米国海軍に提供しているという。

2015年12月、米国のオバマ大統領政権は、水の持続可能性を高めるため、適切な水管理を目指す「moonshot for water」というイニシアチブを打ち出した。この一環として同エネルギー省は、2017年に淡水化研究ハブの設置を計画している。そこでは、ポリマー膜が大きな役割を果たすことになるだろう、とFreemanは言う。「ポリマーの利用拡大の取り組みが大幅に強化されるはずです」。

より優れた淡水化膜を設計するためには、ポリマー中の荷電基の分布などの要因がイオン透過性にどのような影響を及ぼすか、予測できなければならない。Freemanらは2016年1月、そうした予測を行う初めてのモデルを発表した8。このモデルを使えば、置換基を調節したり分子を架橋したりすることによって、特定の特性を膜に組み込むことができるという。「構造と特性の関係について疑問を持ってもらうことが私の使命だと思っています。この関係こそが合成の指針になるのですから」と彼は言う。

ところで、分離膜の究極の形とは、一体どのようなものだろう。それは、分子1個分の厚さの膜かもしれない。2004年に報告されたグラフェンの単離以降、単層材料に対する関心が高まっているが、二次元(2D)ポリマーもまた、その波に乗ろうとしている。

単層ポリマーは、ありふれた線状ポリマーからなる極薄の膜ではなく、固有の2D化学構造を持つ。分子サイズの穴がたくさん開いたメッシュ構造をしており、まるで網の目が規則正しく並んだ漁網のようだ。こうした2Dポリマーの表面は、さまざまな化学修飾を施すことが可能で、それにより1つ1つの穴を精密に設計して特定の分子だけを通す機能を持たせることができる。

とはいえ、2Dポリマー分離膜の作製は簡単ではない。メッシュを成長させている間に、誤って穴を1つでも塞いでしまうと、膜がねじれて三次元(3D)の乱雑な形状になってしまうのだ。チューリヒ工科大学の高分子化学者Dieter Schlüterは、10年以上この問題に取り組んだ末、2012年にようやく成功にこぎつけた。

彼の手法はこうだ。まず、入念に設計したモノマーを層状に結晶化させる。次に、青色光を照射して同一面上のモノマー間で化学反応させて重合し、ポリマー層が積み重なった結晶を新たに作る。そして、ポリマーの各層を剥がしてバラバラにすると、分子1個分の厚さの2Dポリマーシートが複数得られるのである(「2Dポリマー膜の作り方」参照)。

Schlüterと、ネバダ大学リノ校の化学科長であるBenjamin Kingは、共にこの方法を用いて、異なる種類の2Dポリマーをほぼ同時期に作製した9,10。その後共同研究者となった2人は今、こうした2Dシートを少しでも早くキログラム単位で製造し、世界中の研究グループにサンプルとして提供したいと考えている。

Schlüterは、2Dポリマーの将来性について懐疑的な見方をされたことがあると語る。「けれども、疑うのは健全なことです。それに、私はとても頑固なので決して諦めません。2Dポリマーの開発には大きな可能性があると確信していますから」とSchlüter。

特化型ポリマー

ポリスチレンやポリエチレンといった広く普及しているポリマーは、同じモノマーがいくつも繰り返しつながった構造をしている。それはまるで、1つの音のみで奏でる一本調子の旋律のようで、実に単調で、ある意味つまらない。一方、これと対照的なのが、DNAやタンパク質といった天然のポリマーである。4種類のモノマーでゲノム全体をコードするDNAは、4チャンネルで聴く交響曲のようであり、23種類のアミノ酸から複雑な3D構造を築き上げるタンパク質は、さながらバロック音楽の傑作といえるだろう。

ポリマー研究で最も難しい最先端領域は、合成ポリマーをDNAやタンパク質と同じ精密さで作り上げ、その電子的特性や物理的特性を微調整できるようにすることだ。「この5年間で、かなり人気が出てきた領域です」と、ストラスブール大学(フランス)の高分子化学者Jean-François Lutzは言う。配列を制御しながら重合することが可能になれば、モノマーがあらかじめ決められた順序で並んだ、特定の長さのポリマー鎖を形成することができるようになるだろう。

マサチューセッツ工科大学(米国ケンブリッジ)の化学者Jeremiah Johnsonが率いるチームは2015年、2種類のモノマーをつないで二量体を作り、次にそれらの二量体を2つつないで四量体を作るというように、繰り返し指数関数的にポリマーを成長させることによって、配列の制御が可能になることを示した11。成長サイクルの間に各モノマーの側鎖を修飾すれば、さらに複雑な分子を生み出すことができる上、こうした工程は半自動システムでそれほど手間をかけずに行うことができる12

Johnsonは現在、こうした配列制御型ポリマーを薬物送達に応用できないか検討している。米国食品医薬品局(FDA)によって承認されている12の薬剤では、体内の免疫システムから保護したり、溶解性を高めたり、体内滞留時間を延ばしたりする目的で、ポリエチレングリコールというポリマーが使われている。これを配列制御型ポリマーで代用できるようになれば、全ての鎖の長さと形状を均一にできる上、最適な薬物送達が可能になるよう化学的性質を詳細に設計できるため、生物学的効果が予測しやすくなるだろう、とJohnsonは説明する。

また、配列制御型ポリマーを使えば、従来の半導体技術よりも小型で安価なデータ記憶装置を実現できるかもしれない。ポリマーを用いたメモリーでは、各モノマーが1ビットの情報に相当する。Lutzは2015年5月に、この目標に向けて重要な一歩を踏み出した13。彼は、2種類のモノマーに1と0のデジタル情報を持たせ、それらの間にスペーサーとして第3のモノマーを配置した。各モノマーは、成長するポリマーとだけ結合する化学基を持つため、モノマー同士がランダムに反応することはない。一連の1と0の情報は、質量分析計の中でポリマーが分解する様子を調べることで読み取ることができる。

2016年8月、Lutzは次いで、さまざまなポリマー鎖のライブラリーで32ビットのメッセージをエンコードできることを示した14。人工DNA分子に1.6ギガビットの情報を記憶させたこと(go.nature.com/2b2ve0u参照)と比べれば、見劣りするかもしれないが、ポリマーによるデータ記憶の分野が勢いづいていることは確かだ。2016年4月、情報コミュニティーのハイリスク研究に資金提供する米国の機関である知能高等研究計画局(IARPA)は、バイオテクノロジー業界や半導体業界、ソフトウエア業界の代表者を集めて、ポリマーによるデータ記憶をテーマにしたワークショップを開催した。「この領域の研究者は増えており、活気に満ちています」と、ワークショップの主催者の1人であるIARPAのテクニカルアドバイザーDavid Markowitzは言う。

しかしながら、こうした技術へのポリマーの利用には、合成に時間とコストが掛かり過ぎるという大きな技術的課題が存在する。データ記憶の問題をはじめ、最先端の高分子化学が直面している数々の問題を解決するカギは、ポリマーの特性予測や合成の微調整を可能にする優れた方法を開発することだろう。それには、一致団結した取り組みが必要になる。「物理学者、材料科学者、理論化学者の間に協力関係を築く必要があります」とLutzは言う。「新しい分野を作り上げる必要があるのです」。

翻訳:藤野正美

Nature ダイジェスト Vol. 13 No. 11

DOI: 10.1038/ndigest.2016.161124

原文

The plastics revolution: how chemists are pushing polymers to new limits
  • Nature (2016-08-18) | DOI: 10.1038/536266a
  • Mark Peplow
  • Mark Peplowは英国ケンブリッジに拠点を置く科学ジャーナリスト。

参考文献

  1. Staudinger, H. Ber. Dtsch. Chem. Ges. 53, 1073– 1085 (1920).
  2. The New Plastics Economy: Rethinking the Future of Plastics (Ellen MacArthur Foundation, 2016).
  3. Li, T., Zhang, J., Schneiderman, D. K., Francis, L. F. & Bates, S. F. ACS Macro Lett. 5, 359–364 (2016).
  4. Schneiderman, D. K. et al. ACS Macro Lett. 5, 515–518 (2016).
  5. Schneiderman, D. K. & Hillmyer, M. A. Macromolecules 49, 2419–2428 (2016).
  6. Lin, N. & Dufresne, A. Eur. Polymer J. 59, 302–325 (2014).
  7. Miller, D. J. et al. J. Membrane Sci. 437, 265–275 (2013).
  8. Kamcev, J. et al. Phys. Chem. Chem. Phys. 18, 6021 (2016).
  9. Kissel, P., Murray, D. J., Wulftange, W. J., Catalano, V. J. & King, B. T. Nature Chem. 6, 774–778 (2014).
  10. Kory, M. J. et al. Nature Chem. 6, 779–784 (2014).
  11. Barnes, J. C. et al. Nature Chem. 7, 810–815 (2015).
  12. Leibfarth, F. A., Johnson, J. A. & Jamison, T. F. Proc. Natl Acad. Sci. USA 112, 10617–10622 (2015).
  13. Roy, R. K. et al. Nature Commun. 6, 7237 (2015).
  14. Laure, C., Karamessini, D., Milenkovic, O., Charles, L. & Lutz, J.-F. Angew. Chem. Int. Ed. Engl. (2016).