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細胞分裂の際に染色体がくっつかないのはなぜ?

Nature ダイジェスト Vol. 13 No. 10 | doi : 10.1038/ndigest.2016.161032

原文:Nature (2016-07-14) | doi: 10.1038/nature18904 | A sticky problem for chromosomes

Clifford P. Brangwynne & John F. Marko

Ki-67タンパク質は、分裂中の細胞で増えることが知られているが、有糸細胞分裂での役割はこれまでよく分かっていなかった。今回、詳細な画像化により、細胞分裂の際に染色体がひと塊にならないのは、Ki-67が染色体の表面を覆っているためであることが明らかになった。

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SCIEPRO/SPL/Getty

DNAは、遺伝情報を担ったひも状の物質のようにイメージされることが多いが、実際にはタンパク質に巻き付いて凝集している。この構造体は、染色体と呼ばれ、物理学や化学の研究対象とされることの多い、高密度の高分子材料に似ている。染色体の物理学的性質や化学的性質は細胞分裂(有糸分裂)の際に特に重要となる。染色体(クロマチン)は、核内でほぐれた状態で存在しているが、有糸分裂の際にはコンパクトに凝集し、2つの娘細胞に正確に分配される。しかし、有糸分裂時の染色体凝縮や染色体構造の個別化の仕組みは、1世紀以上にわたる研究にもかかわらず理解が進んでいなかった。このたび、オーストリア科学アカデミー分子生物工学研究所およびウィーンバイオセンター(オーストリア)のSara Cuylenらは、Ki-67と呼ばれるタンパク質が、有糸分裂の際に染色体の表面を覆い、凝集した染色体同士がくっつかないようにする障壁として機能していることを、Nature 2016年7月14日号308ページに報告した1

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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