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核膜再形成という難問の解決法

Nature ダイジェスト Vol. 12 No. 9 | doi : 10.1038/ndigest.2015.150935

原文:Nature (2015-06-11) | doi: 10.1038/nature14527 | Nuclear dilemma resolved

Brian Burke

細胞分裂が終わると、崩壊していた核膜が融合して細胞の染色体を包み込み、核を形成する。この過程をESCRT-IIIタンパク質複合体が調節していることが明らかになった。

核膜再形成時の3Dモデル。ESCRT-IIIのサブユニットであるCHMP4Bは、集合したDNAの周囲に局在していた。青 = DNA、緑 = CHMP4B。 | 拡大する

Ref.2

動植物や菌類の細胞では、染色体は、核膜という二重膜構造に囲まれた「核」の内部に存在しているため、細胞分裂時には核膜の存在が問題となる。染色体は紡錘体と呼ばれる構造に結合し、それに沿って動いて2個の娘細胞へと分離されるのだが、紡錘体は、少なくとも多細胞生物では核の外側にあるため、脊椎動物細胞では通常、染色体分離の前に核膜が部分的あるいは完全に分解される。その後、細胞分裂終期には新しい核膜が形成されるのだが、この過程には広範囲の膜融合が必要であり、膜融合が起こる仕組みは長い間、細胞生物学者を悩ませる難問となっていた。そうした中、ロンドン大学キングスカレッジ(英国)のYolanda Olmosらの研究チームとオスロ大学(ノルウェー)のMarina Vietriらのチームは、さまざまな細胞過程で膜を変形させることが知られているESCRT-IIIと呼ばれるタンパク質複合体と核膜が協同して、核膜の再形成を引き起こすことを明らかにし、その結果をNature 2015年6月11日号236ページ231ページに、それぞれ報告した1,2

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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