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がん遺伝子産物Rasへの再挑戦

発がんに大きく関わるRasタンパク質。これを標的とする治療薬は、30年に及ぶ探求にもかかわらずまだ見つかっていない。だが、実験手法が進歩したことで、この強敵からいったんは遠ざかった研究者が再びこの分野に参戦するようになってきており、新たな切り口でRasに挑み始めている。

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LAGUNA DESIGN/SCIENCE PHOTO LIBRARY/Gettyimages

Nature ダイジェスト Vol. 12 No. 7 | doi : 10.1038/ndigest.2015.150725

原文:Nature (2015-04-16) | doi: 10.1038/520278a | The Ras renaissance

Heidi Ledford

Stephen Fesikは、製薬会社を辞めてヴァンダービルト大学(米国テネシー州ナッシュビル)に創薬の研究室を構えたとき、発がんに関係することで知られる最も重要なタンパク質のうち5種類を「指名手配リスト」として書き出した。これらのタンパク質は、薬剤開発者にとっては悪夢のような存在で、腫瘍の増殖を促進させることが分かっているにもかかわらず、その分子表面に起伏がなく滑らかなためにつかみどころがなかったり、あるいはひどく難しい性質を持っていたりするために、薬剤をうまく結合させて阻害することができないのだ。専門用語で言えば「アンドラッガブル(undruggable;創薬が困難)」な標的である。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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